活動報告

令和4年11月8日 総務常任委員会答弁

更新日時:2022.11.09

△[報告事項に対する質問応答] 

◆新谷博範委員 金沢市総合教育会議の開催について、私も議会で質問しているように、部活動の地域移行は非常に大事である。先日の全国紙の記事によれば、指導員の不足や、国の決定と地域の現状に非常に大きな差がある。国は地域移行について決定しているわけだが、この教育会議に教育長と教育委員が出席して、地域移行についてどのような話合いをするのか。開催する目的をもう一度説明してほしい。

◎村角企画調整課長 委員指摘のとおり、スポーツ庁及び文化庁から、この6月と8月にかけて、検討会議での提言が示されている。それを受けた国の方針としては、来年から3か年かけて、休日を中心として段階的に移行していくところまで示されているが、より具体なガイドラインについてはまだ詳細が示されていない。庁内では、教育委員会並びに市長部局の担当部局との間で検討会議を設けてはいるが、今指摘があった受皿の問題や環境の問題など、様々な課題が考えられる。まずは今の国の考えている状況を委員に説明して情報共有を図るとともに、今後課題解決に向けて示唆を得られるような会議にしたい。

◆新谷博範委員 もう少し具体的なのかと思った。承知のとおり、中学校の部活動によって教員の労働時間数が非常に問題になっている。巡り合わせもあり、顧問の先生が自分の得意な競技の部活動に出会う確率は、中学校では非常に低い。最近はサッカーであれ野球であれ、お金を払って指導者がいるクラブに行ってしまい、中学校で部活動をしない。だが、根本的に中学校の部活動は費用がかからず、確かに地域の限界はあり、みんながプロになれるわけではないが、スポーツを通して学ぶことは大事である。地域移行について議論するこの会議を主宰して、結論をまとめる責任は企画調整課にあるのか。

◎村角企画調整課長 総合教育会議の主宰は企画調整課である。

◆新谷博範委員 地域移行は中学校の部活動を対象にしているわけだろう。だから、責任と方針の決定権に関して、予算をつけるのは金沢市なのだろうが、実行する教育長の責任分担が非常に難しいと思う。例えばあなたたちが来年からやれと言ったって、国の意向もあるから教育委員会はどうすればよいのか。この総合教育会議での指針の責任は企画調整課にあり、教育長と教育委員の責任分担に関して、彼らは実行部隊なわけだろう。教育長が各中学校の校長先生にこうしなさいと言って、各中学校で指示するわけだろう。だから、命令系統をはっきりしておかなければいけない。地域移行について、企画調整課がこの会議を開催し、市長も決断して、お互い合意できたとなるのか、今後の流れを教えてほしい。

◎村角企画調整課長 主宰は企画調整課で、そこに市長及び教育委員が出席する。そこで出た意見については、会議に教育委員会事務局及び関係市長部局も出席しているため、まずは情報共有を図っていくことが必要になってくる。今後の制度設計については、まだ国からガイドラインが出ていないこともあり、今後それを見据えた上での対応になろうかと思うが、予算編成等の議論の中でしっかりと対応していくことになる。

◆新谷博範委員 これはすごく大変な作業だと思う。金沢市の全部の中学校の1、2、3年生、石川県全体だったらさらに大きな問題なわけである。実際問題として今、地域的な偏向がある。例えば山の手には正直言ってサッカー部も野球部もないし、ある中学校では部活動のないところもある。だが、最近はブレイキングダンスなどスポーツの志向もいろいろ変わってきている。もう一度聞くが、企画調整課がどこまで責任を持つのか。例えば指導者のことや制度設計に関して、実行部隊の教育委員会に、あなたたちが地域で指導者を探しなさいとかっつけることもできるわけだろう。企画調整課はこれに関して予算づけと、ほかにどこまで関与するのか。ここの役割分担を説明してほしい。

◎村角企画調整課長 企画調整課は総合教育会議を主宰する責任がある。実際の施策については、教育委員会並びに市長部局の関係課との間でそれぞれ役割分担しながら必要な予算要求をして予算措置を講じていくことになる。

◆新谷博範委員 主宰するということは、その会議で決定したことに対して、地域移行に関する予算要求も含めて今後も企画調整課がしていくということか。この教育会議で決定したことを施行するに当たっての予算措置と政策の具体化に関しては企画調整課が責任を持つのか。

◎村角企画調整課長 企画調整課は総合教育会議、いわゆる市長と教育委員が出席する総合教育会議を主宰するのみである。その後の制度設計や施行については、今後の総合教育会議のテーマとして取り上げていくことはあるかとは思うが、それぞれ教育委員会や市長部局の関係課との中での調整になろうかと思う。

◆新谷博範委員 分かった。とにかく会議を主宰し、取りまとめて関係部局に伝えるところまでだと理解しておく。よい結論が出るようによろしくお願いする。
 美大の過去5年間の交流実績について、過去5年間で4つの学校と実績があったとの説明だった。実際は8校と交流協定を結んでいるわけだが、半分とは何の連絡もしなかったのか。実績はこれだけではないだろう。

◎松本金沢美術工芸大学事務局長 過去5年間の実績で見ると、報告した4校だけである。

◆新谷博範委員 姉妹交流協定を8つ結んでいるだろう。市長が行ったニューヨークのバッファロー校も姉妹協定校ではないか。5年間でたったこれだけで、ゼロのところもあり、姉妹協定を結んでいるところでも濃淡がある。こんな程度なら、姉妹協定と言うのか分からない。何で8校と交流しないのか、何で濃淡をつけているのか、理由を聞く。

◎松本金沢美術工芸大学事務局長 交流協定については、常に毎年交換留学等を行っていくような協定内容にはなっていない。実際に今、コロナ禍の時期を除いては、ゲント、ナンシーの2つの交流校とは毎年交換という形で実施しているが、その他の大学については必要に応じて交流を行っている。

◆新谷博範委員 その姿勢がおかしい。必要に応じてというなら日本全国そうである。ちゃんと交流協定を結んでいるなら、平均的にきちんと同じことをしなければ駄目である。例えばニューヨークの学校もそうだし、先ほど思い出したかのように言ったスウェーデンのヴァランド芸術学院など、大体漏れているわけではないか。内容についてもひど過ぎないか。過去5年間で、学生2人の派遣と受入れ、受け入れてもらえたら受け入れるような、何かお返しの仕組みのようである。一番ひどいものでは、台湾芸術大学がオンラインで講演、こんなことならどこでもできるではないか。そして、新しいところと結ぶ前に、今までのところを何で一つもやらなかったのか聞いている。5年前だったらコロナなんて関係ないではないか。濃淡をつけたり都合のよい姉妹交流協定を結んでおいて、都合のよいとき、適当なときだけ派遣するのはよくない。決められたことは毎年、全部の校にきちんと平均的にするべきではないかと聞いているが、どうか。

◎松本金沢美術工芸大学事務局長 交流校は今回の報告分も含めて10校あるが、それぞれの大学に応じた特色を持っている。先ほども説明したが、それぞれの大学の思いが一致して交換留学や教員の共同研究が成り立ってくるわけで、これまでの締結内容では、将来的に広やかに交換留学などが円滑にできるような位置づけで締結している。繰り返しになるが、交流については学内で今後も学生の希望等も聞きながら、機会があれば積極的に行っていく。

◆新谷博範委員 過去に思いが一致してきたから全世界の中で10校と協定を結んでいる。思いが一致していなかったら最初から結ぶ必要ないだろう、そんなの当たり前ではないか。全世界にいっぱい大学がある中で、思いが一致したから結んだ。過去のやつをきちんと生かしていかないで、今新しいところを2校追加するなんておかしいと言っている。国際交流の予算がちゃんとあって、派遣する費用があるなら、きちんと学生の希望も聞いて派遣しなければいけないし、よいところがあったから全世界何百も何千もある大学の中から10校を選んだわけだろう。そういう場当たり的な、ここだけ何かちょいつまみで、新しい2校と仲よくなったから協定結びますというのがおかしいと言っている。過去の8校はなおざりにしておいて、今になって新しく2校追加するなんておかしい。相手の要望と一致しているのだから、何かないかちゃんと記録を取って、お互いに交流の話合いをしなきゃいけない。今、オンラインでも話合いはできるだろう。過去5年間でなぜしなかったのかを聞いている。過去5年間、8つの協定のうちの4校は何で無視したのか。

◎松本金沢美術工芸大学事務局長 決して無視しているわけではない。協定を結ぶことで学生に非常にメリットがあるのは、交換留学を実施することでほとんどの場合授業料が相手方の大学で発生しない、非常に行いやすいメリットがある。締結を広やかに、将来に向かって可能にしていくことは、大学や学生にとっては意義があることである。ただ、実際に毎年派遣できるかどうかは、当然学生の希望や受入先大学の事情等もある。先ほど一致したと説明したのは、お互いの大学の一致だけでなく、学生の希望といったこともある。学びたい分野やそれぞれの大学の特徴もあるので、そのようなことが今回の結果になっているのかと思う。委員の意見は参考として学内に持ち帰って伝えたい。

◆新谷博範委員 平成2年に結んだ最初のヴァランド芸術学院について、北欧は全部大学の授業料が最初からただであり、そんなのは世界の常識である。そんなところに生徒たちの募集や交換留学の希望を聞いて、過去5年間全員ゼロだったというのか、そこがおかしいと言っている。大連工業大学はどうか。大連なんて富山から往復で二、三万円あれば行けたときもあるのに、何もしていない。台湾も過去5年間で小松空港から毎日飛んでいたが、令和3年度に1回、学長と学長補佐がオンライン講演をしただけである。新しい2校とつなぐのもよいが、ほかの学校がなおざりになってはいけない。何か理由や縁があったから協定を結んだわけで、何もなかったら結ばないわけだろう。何か美大のためになるよいところがあったから協定を結んだのだろう。そのよいところを伸ばすためにちゃんと学生に説明しなければいけない。過去のことは知らない、新しいところ2つと協定を結ぶ、これでは過去が全然大事にされていない。この協定に関して美大に持ち帰ってきちんと予算づけして、過去の8校と合わせた10校と平均的に連絡を取り合うことを約束してほしい。

◎松本金沢美術工芸大学事務局長 事務局として、国際交流に関して学内で決定権はないが、今の委員の意見は国際交流事業を推進するため学内に設置されている国際交流センターへ伝えたい。

◆新谷博範委員 よろしくお願いする。
 バス停木質空間創出事業について、木のベンチを置くとのことだが、これが木の文化都市・金沢の発想か。貧困過ぎないかと思う。何か木の文化都市に引っかけて一生懸命考えて7基設置するようだが、どのようなコンセプトなのかもう一度教えてほしい。

◎山田歩ける環境推進課長 この事業は、金沢市の公共空間において、市民や観光客も含めて、より身近に木のぬくもりやしつらえを感じられる機会を提供する、まちの中にも木の風景を創造するとのコンセプトに基づく。これは学生の提案もあり、その提案に基づいた発想から一つ実現させたものである。

◆新谷博範委員 これから雪が降って吹きさらすところに7基置いても、みんな建物の中に入るわけである。7基置くなら駅前など人流の多いところに置くべきではないか。駅前は東口も西口もロータリーになっていてみんな乗っていける。学生の発想だからといってたった7基をここに置くことが木の文化都市とは、根本的に発想が貧困ではないか。この椅子のデザインは否定しないが、ここに7基置く理由が分からないのでもう一度説明してほしい。こんなの何か意味があるのか。

◎山田歩ける環境推進課長 もともとここのバス停には石の長ベンチが2基置かれていて、6人くらいは座れるスペースがあった。その石のベンチを一旦横に移動させて木のしつらえのベンチを置くもので、7人座れるスペースを確保したものである。

◆新谷博範委員 石のベンチが置いてないところに置けばよいではないか。何でわざわざ撤去してまでここに置かなければいけないのか、金沢駅や香林坊など新しいところに7基だけ置いておけばよいではないか。発想が貧困である。武蔵ヶ辻に石のベンチが6人分置いてあったから、それを撤去して何か木の文化都市に引っかけた丸椅子を7基置く。冗談ではない。金沢市の税金を使っている。見解を聞く。

◎山田歩ける環境推進課長 設置する場所については、ふらっとバスの乗降客の多いバス停として選定した。これまでも木のベンチについては都心軸を中心に平成30年、令和元年と設置してきた。今回はそのベンチの流れを取り入れながらも、あくまでコミュニティバスの乗降客が多いということで、立って待ち合いしている乗客もいるのでこれまで6人座れる石のベンチを横において、さらに座れるようにスペースを確保することで乗降客の利便性も向上させることに努めた。

◆新谷博範委員 コミュニティバスとはふらっとバスのことだろう。何でまちなかだけ年間1億円以上の交通負担を出して、郊外のコミュニティバスには出さないのか、もともとそこに矛盾がある。その乗降客が一番多いところだというが、あそこは路線バスも非常に走るところである。撤去までするなら新しいところに置けばよいだろう。ふらっとバスでもいろいろなところがある。発想が貧困だと思うが、まさか7基置いて終わりではないだろう。次の一手があってのことなのか、次にどうつながるのか、今後の展開を教えてほしい。

◎山田歩ける環境推進課長 もちろんふらっとバスの待合環境の向上はこれからも検討していくし、木質空間の創出はこれからずっと続いていくので、その中でどんなことができるか、ふらっとバスの利便性向上や待合空間の検討の中で今後ともできることを進めていきたい。

◆新谷博範委員 木の文化都市の所管は都市政策局なのか。発想が貧困だと思うが、これは木の文化都市の事業で幾つかのセットになっているのか。どこでこうなったか分からないが、これは木の文化都市のコンセプトに合っているのか。木の文化都市との関連性について、どのように把握しているのか、局長に聞く。

◎新保都市政策局長 木の文化都市の条例を所管しているのは都市整備局である。まちづくりの中で木をふんだんに使っていく中で環境を整備していこうというのが趣旨である。昨年度末に条例を制定したので、それに基づく施策を全庁的に展開していく中で、都市政策局として何ができるのかということで、バス待ち環境の整備の中で木を使っていこうとのことでベンチの発想になった。

◆新谷博範委員 この事業を了承したのは局長だと思うが、違和感はなかったのか。側面だけが金沢産杉で、座面は能登ヒバである。これと木の文化都市・金沢にどんな関係があるのか。

◎新保都市政策局長 今、そのベンチだけを取り上げるとそのような形になっている。我々とすれば、例えばバス待ち環境の中で、上屋なども含めてということもあるし、ここだけではなくて、ほかのところでもそのような場所がないか等も含めて全体的なことを考えていきたい。

◆新谷博範委員 次の事業展開に期待する。
 石川中央都市圏地域公共交通計画の策定に向けた検討状況について、BRTと鉄道を比較したとのことだが、石川線は累積赤字がかなりある。ドル箱路線で稼いだお金を鉄道にぶち込んで、平均にならしてやるという北鉄のビジネスモデルが壊れて、市当局も認めているではないか。だから、BRTと鉄道について、収支から見なければいけない。今回もこの発想の根本はお金だろう。このコロナ禍も含めて、公共交通での大量輸送が非常に苦しいわけだろう。そして、もともと北鉄というか、金沢市、石川県の公共交通はおかしい。ある赤字を、ある黒字で補填して、何とか経営するというこのビジネスモデルの根本的な解決策として上下分離方式があると、北鉄がもう声高に言っているわけではないか。BRTと鉄道について、何で収支状況からの比較が出ていないのか。400人、110人台、これで整備が小さい。だからどうなのか。やはりお金のシミュレーションがしっかりしていなければならない。シミュレーションはどうなっているのか。

◎近藤交通政策課長 現時点で、この夏に需要調査を行ったところで、需要が増加するのか減少するのかの速報を今何とか示せた状況である。収支の状況については、今後精査をしていく中でもちろん検討していく。

◆新谷博範委員 スピードが遅くないかと言っている。収支なんてすぐ分かるだろう。金沢市が初めてやっているならよいが、BRTなんて日本中でやっているところがあるわけで、当てはめればよいだけではないか。この前も議長会フォーラムか何かで聞いたが、BRTはいっぱいやっていて、鉄道も上下分離方式でやっている前例があるそうである。だから、せっかくやるならちゃんと数字に基づいてやらないといけない。私にとってこれは何か主観的なのである。客観的データに基づいていない。この前の提言はよかったが、まとめ方が何かいまいちよく分からない。鉄道とBRT、だから何か。収支はいつ出るのか。

◎近藤交通政策課長 北陸鉄道からも鉄道線の車両更新の方向性を令和5年度中には決めなければいけないと言われており、令和5年度中には結論を出すべく精査していくことになる。

◆新谷博範委員 例えば鉄道と車両では、減価償却の期間も全然違う。普通の鉄道なら10年以上、20年でも使えると思う。車だったら最大で5年か7年で償却すると思う。だから、ちゃんと客観的データに基づいた数字で出してほしいと言っている。そして、鉄道の場合、鉄道存続、そしてその後に来る上下分離方式の2パターンがあるわけだろう。固定資産と負債の部分だけ地方自治体のところから出資というか、ある意味での現物出資に基づいて運営だけやらせてもらえないかという話ではないか。何でそこまで踏み込んでいないのか、時間がかかり過ぎていると思う。最初から上下分離方式を求めているのに、その言葉が一言も出ていないが、どうなっているのか。

◎近藤交通政策課長 県を含め関係市町と北陸鉄道からの要望内容を認識した上で検討している。ただ、需要調査が遅いとの意見はしっかり受け止めるが、速報値としてまずは需要が増えるか減るか、特にBRTは石川線のエリアをただ走っていればよいものではなく、バスなので白山比咩神社やまちなか方面にどこまで走らせるのかなど、そのような前提をしっかり置かないと駄目だとの厳しい指摘もほかの自治体から出ているので、そこの数値は現状まだ出せない状況であることを理解してほしい。

◆新谷博範委員 中央都市圏においても金沢市が主導していると私は思う。しっかりとしたシミュレーション、数字で抑え込まないと、白山比咩神社やそこまでの需要も大事だが供給する側の財務体質が今危機に瀕しているわけだろう。需要調査して緊急の速報値を出したとのことだが、需要の逆の供給サイドは今逼迫しているわけだろう。だから、真ん中の新交通だって今一旦止まったわけではないか。幾つかのハードルを越えないといけない、それよりも今の既存の本体が危ないからということになったわけだろう、この前の新公共交通システムの答申もそうなっていたではないか。何でそれが反映されないのかが分からない。それに石川線と浅野川線のこともあるし、津幡町とのバスの連結もあるわけだろう。何か石川線に目が行っているが、やはり全体のシミュレーションをして数字で押していかないといけない。日本中に例があるわけだが、収支状況はいつ出るのか。

◎近藤交通政策課長 繰り返しになるが、令和5年度中の結論を目指してやっていくし、数値については既に入手した上で様々な検討を行っている。ただ、まだ関係自治体との協議の状況もあるので示せないことを理解してほしい。

◆新谷博範委員 もう把握しているとのことで安心した。そこら辺をきちんと数字で押して、早く結論を出してほしい。
 もう一つ、この中央都市圏で話し合ってほしいのだが、森本地域から民間の無料のバスが出ている。このように企業がやっている無料の公共交通に関して、調査したことはあるか。

◎近藤交通政策課長 委員指摘の件は、恐らくある物流企業が無料で利用できるバスを運行している件だと思う。その件については、もちろん事業者ともコミュニケーションを取っているが、利用状況などを市として調査したものはない。ただ、公共交通と民間企業が運行する無料送迎バスとの連携のようなものはしっかりいろいろ考えていかなければいけない。

◆新谷博範委員 無料であろうが誰がやろうがよい。津幡町の人たちに役に立っていて、そして富山県まで行っているわけだろう。それが赤字を出さないでやれる仕組みを調査、検討したか聞いている。金沢市、津幡町、野々市市など中央都市圏にまたがっていて補完機能があるから使うべきだし、組み込むべきではないか。いつ、どのように調査したのか。

◎近藤交通政策課長 調査という名目ではやっていないが、その運行事業者とはもちろんコミュニケーションを取っている。ただ、その事業についてはある意味では収支を考えずに運行できているものと聞いているので、そのようなものが地元の人たちに持続的に使っていけるようにするにはどうしたらよいのかは引き続き議論していきたい。

◆新谷博範委員 地元の人が収支を考えずに毎日運行していて、それが金沢市を起点として津幡町、野々市市、白山市など、いろいろなところへ行っているのだから、少し応援してやればよいではないか。そして、意見を聞いて、何か行政で支援できることはないのかを何で考えないのか聞いている。今、毎日金沢市民を乗せて無料で運行しているのだろう。これが何で検討されないのか。調査、検討しているなら、今からどうするのか。このようなものは例外にするのか。

◎近藤交通政策課長 運営事業者から金銭的な補助をしてほしいとの話は今のところ聞いていないが、住民にしっかり利用してもらえるように協力していきたいということは運営事業者とも話をしているので、今後そのように進めていくと思う。

◆新谷博範委員 そんなことは聞いていない。今、中央都市圏公共交通計画を策定するのだろう。策定するときは、現在運行しているその公共交通の都市区域の全ての業者に対してちゃんと調査して、伸びていく可能性があるなら伸ばしてあげればよいではないかと言っている。今計画を策定するのだろう。そして、金沢市だけではなく、野々市市や津幡町、富山県まで運行しているわけだろう。だから、ちゃんと意見を聞いて、相手が言ってくるからではなくて、自分で聞きに行く。事業者が既存でちゃんとやっているのだから、無視する必要がないだろうと言っている。だから、きちんとこの中央都市圏でやっている全部の事業者の意見を聞いて、今後の伸ばし方を考えるべきである。伸びたほうがよいだろう。これはなくなったほうがよいのか、伸びたほうがよいのか、どちらなのか。

◎近藤交通政策課長 これは本当に難しい問題である。というのも、無料で運行しているバスについて、委員は公共交通と言ったが、ある意味で類似した区間を運賃を取って走っている路線バスがある。その事業者からすれば競合である。そのようなものとうまく役割分担していかないと、無料バスはもちろん残るかもしれないが、路線バスがなくなってしまうのも大きな課題である。そのバランスを見ていかなければいけないということでいろいろ奥歯にものが挟まったような答弁になっている。

◆新谷博範委員 役割分担は難しい。相手は無料で来ているから、有料と無料なら、無料に飛びつく。だが、将来的にそちらはお金を取るかもしれない。その難しいところに立つのが行政なのではないのか。だから、そこの存在を無視したり、競争もあるから片方だけ存在を無視するのはよくない。ちゃんと意見を聞いて調整するのが中央都市圏地域公共交通計画の策定に向けての作業で、その存在を無視して、北鉄を優先するのはおかしいと私は思う。難しいと言ったが、場所によっては地域交通も伸びるべきだと思う。ある地点からある地点まで、途中で止まらないで、その目的地の商業施設だけ行くものがあってもよい。JRはやめているから津幡町などの北部の接続は難しい。だから、全体のこの交通計画の策定に向けて、ここの無料の部分をちゃんと行政的に支援できるならある程度均衡を取らせるべきではないかと思うが、この調整に入るのは行政だと思わないか。

◎近藤交通政策課長 結論としてまだ言えないが、その計画の策定の中でそのような無料の交通との関係なども整理していかなければいけない。

◆新谷博範委員 しっかりやってほしい。今やっているところにも、相手が言ってこないからではなくてちゃんと意見を聞いて、役割分担のところは行政が入らないと、過度な競争になっても面白くないので、そこら辺はしっかり行政の役割を果たしてほしい。
 権利能力なき社団の法的責任について、説明が曖昧だった。金沢市では金沢方式という名で毎年1,000万円以上の大量のお金が権利能力なき社団に流れ続けている。その監査がうまくいっていないで、それがもし間違っていたときに、その時々で弁護士に相談して考えるのはおかしいではないか。前にも言ったが、お金を出してもよいので、その代表には最低限の公的債務が発生するという誓約書を一筆取らなければいけないと思う。銀行の融資で一筆取るのは当たり前なのに、何で一筆取らないのか。権利能力なき社団に金を出してもよいが、その社団は権利能力がないから何をやっても個人責任が問われない可能性が高い。自分の過失があったかなかったかを証明するのはすごく難しい。会計責任者が勝手に1,000万円使っても、代表に責任がないという話ではないか。だから、確実にここは取っておかなければいけない。先日の委員会で、口座は凍結できること、差し押さえができることが分かった。その次に、それを自由に使っている権利能力なき社団の代表者と会計責任者たちの法的責任である。一筆取るべきだと思うが、どうか。

◎松本会計課長 誓約書等を一筆取るという話だが、基本的には団体に賠償責任を問うものであり、委員指摘のように代表者から誓約書等を事前に取る行為は、個人に対して必要以上に過重な責任を負わせる可能性があり、難しいと考えている。

◆新谷博範委員 権利能力なき社団に対して行政が公的にお金を出すことのほうが難しい。慣例のように何千万円も出していて、賠償責任も負わない、法的責任も持たない団体が、1,000万円だけで100以上もあった。だから、1,000万円を区切りにすべきだと前から言っている。銀行が倒産したときに1,000万円が補償されるというのがいっときあっただろう。1,000万円は一つの社会的な基準である。ただ、毎年1,000万円流している団体について、最低限、権利能力なき社団に対しては一筆取らなければ駄目である。問題が起きたときに、いちいち訴えなければいけない。ずっとこんなことを続けていくのか。そんな何の責任も持たないような団体に1,000万円以上のお金を自治体が流すほうが難しくないか。法的責任も負わない団体にずっとお金を流している。そして、責任を負う者が分からないような団体に1,000万円以上ずっと出す。1,000万円以下は一応一つの区切りにしようと私は言った。ただ、毎年1,000万円以上出していて、誰が責任者か分からない、本当は権利能力なき社団だから、幾ら請求しても出てこない。そんなところにお金を流していることが不安にならないのか。会計管理者に聞くが、そんなところにお金を払い込むほうが難しくないか。会計管理者の判この下にその支出を認めているわけだろう。だが、そこは法的責任がないわけではないか。こんなところにずっと、今後も支出し続けるのか。

◎朝倉会計管理者 今ほど会計課長が説明したとおり、個人から誓約書を取ることに関しては、個人に対して必要以上の責任を負わせる可能性もあって大変難しいことだと考えている。また、そのような誓約書を取った場合に、代表者が結果責任を恐れて、その団体と委託契約を結べないといった事態の発生も予測され、結果として市民サービスが低下する可能性も否定できないことから、権利能力なき社団と委託契約なりを結ぶことはある程度社会通念上認められることかと認識している。

◆新谷博範委員 税金が1,000万円以上渡されて、責任を負わないような団体や人間にお金を出せるのか。権利能力なき社団の代表者が1,000万円を毎年もらっていて、いや、私、結果責任は追えないけれどお金はもらいますというのがおかしいと言っている。市民サービスの低下ではなく、結果責任も負えないようなところに事業委託していることがおかしいわけだろう。会計管理者は、あるところからここの権利能力なき社団に振り込めと指令が来るわけだろう。誰かが承認するわけだろう。市長からあなたにその指示がくるわけで、その経路をたどっていくしかないではないか。お金は振り込むが、この団体は結果責任を負わない団体だということをあなたは今まで言ったことはあるか。あるかないかだけでよい。

◎朝倉会計管理者 言ったことはない。

◆新谷博範委員 振り込んで返ってこないかもしれないのに不安ではないのか。故意であるかないかを証明するのは難しい。あなたの名前で判こが押されて、課長がある口座に振り込むわけだろう。その事業の委託に関して、誰も結果責任を負わないような団体に委託されていて、あなたはそんな団体がやらなくなったら市民サービスが低下すると言ったが、それは違う。結果責任と義務をしっかりと履行できる団体にのみ委託する。権利と資格がある団体こそが、権利能力なき社団でも法人でも、1,000万円以上の金沢市民の税金がもらえる団体である。その団体の仕切りが悪いと言っている。会計管理者はこれを直すべきだと思わないのか。何の責任も持たないところに毎年1,000万円以上流れていることを不思議に思わないか。これが正しいと思うのか思わないか、どちらか。

◎朝倉会計管理者 経理体制がしっかりしたところと委託契約なりを結ぶのが望ましいことではあると認識している。先ほどの繰り返しになるが、権利能力なき社団の場合であっても代表者に悪意や重大な過失があった場合には個人が責任を負う可能性もあるので、弁護士と相談するなどして適切に対応していきたい。

◆新谷博範委員 普通は一筆取る。普通の銀行も金融機関も一緒である。お金を振り込んでもらうのだから、印鑑証明なり住民票なりまで取る。別に金融機関と同じことをしろとは言わないが、ある程度の信任を取れるところでなければ1,000万円以上出してはいけない。何でその手続ができないのか。会計管理者ができないなら、総務局長ならどうか。こういう財政を預かって全体を見ながら、何の結果責任も負わない、そして事業委託に関してもやらない。要するに会計管理者は市長から指示を受けたらそのまま出してしまうのだろう。もう自分ではどうしようもない。批判もしたくないから、否決できないのだろう。

◎朝倉会計管理者 会計課の仕事とは、各事業課から提出された支出命令書などを審査し、その支出が法令に違反していないか、あるいは支払いに至る一連の事務手続が適切に行われているかを審査、確認した上で、指定された口座に指定された金額を振り込むことだと考えている。

◆新谷博範委員 振込先の審査に関してはあなたの責任だと認めたことになる。要するにいろいろな局からあなたのところに支出命令が来て、これはちゃんとした口座なのかと確認する。振り込んでいる口座は全部、金融機関によって保証されている口座だということはこの前の委員会で証明された。だが、振り込んだ先が、法的結果責任を負わないような人間たちの集まりだということになっている。何かが起きない限り責任を問われないような人間ではない。それはあなたの今までの審査基準でオーケーだったと。今後もこれを継続しようと考えているのか。

◎朝倉会計管理者 繰り返しになるが、会計課の仕事は支出命令書を審査し、確認し、振り込むことである。

◆新谷博範委員 権利能力なき社団への1,000万円以上の振込の支出命令書がいろいろなところから来て、あなたはそれを審査し、確認する。だが、この団体は結果責任も負わない、個人責任もない団体だとあなたは知っているわけだろう。あなたはその審査でそれを突き返す権限があるということでよいか。

◎朝倉会計管理者 権利能力なき社団が相手方であることを理由として振込を拒むことはない。

◆新谷博範委員 審査してその命令は執行できないと返す権限をあなたは一応持っているのだろう。あるのかないのか、どうか。

◎朝倉会計管理者 支出命令書等に法令違反あるいは事務手続上の瑕疵がある場合は返戻する。

◆新谷博範委員 要するに、審査して瑕疵があった場合、拒否できるということでよいか。

◎朝倉会計管理者 権利能力なき社団であることを理由として支払いを拒むことはない。

◆新谷博範委員 今までそうしていたからであって、今からどうなるか分からない。その審査基準は、一体誰がつくるのか。あなたがつくるのか、ここにいる居並ぶ幹部たちか。

◎朝倉会計管理者 基本的には法令に基づいて事務を執行している。委員指摘のとおり、権利能力なき社団が経理体制をきちんとする、その透明性や健全性、安定性が向上するようにということに関しては望ましいと思っている。

◆新谷博範委員 そんなことは聞いてない。もう一度聞く。あなたのところに、権利能力なき社団に1,000万円以上振り込んでくれと支出命令書が来るわけだろう。そして、あなたは一応事務上の瑕疵がないか、この団体は大丈夫かと審査して、それでオーケーと振り込むわけだろう。今、あなたは権利能力なき社団は該当していない、基準がないから今までも振り込んできたと言った。では、その基準は一体誰がつくっているのか、市長がつくるのか、あなたがつくるのか、誰がその基準をつくっているのか聞いている。

◎朝倉会計管理者 その事業の執行に関しては、市長部局での判断となる。

◆新谷博範委員 いろいろな課から会計管理者のところに支出命令書が大量に集まるわけだろう。あなたは先ほど答弁で、審査すると言った。それなら、審査基準があるはずである。その審査基準では今、1,000万円以上支払う権利能力なき社団について、法的責任も債務の賠償責任もないが、一応振り込むことになっている。その審査基準は、誰がつくれるのか。市長がつくると言ったらつくるのか、あなたがつくると言ったらできるのか。だから、誰がその審査基準をつくれるのかをさっきから何度も聞いている。誰がつくれるのか。

◎朝倉会計管理者 権利能力なき社団に対する支払いを認めるかどうかについては、今のところルールもないため、会計課としてはそれをもって理由として拒むことはない。

◆新谷博範委員 ルールがないと言うが、そのルールは誰がつくれるのかをさっきから聞いている。誰につくる権限があるのか。市長か、副市長か、会計管理者か、何人かしかいないわけだろう。あなたが審査基準をもしかしたらつくれるのではないかと私は聞いているが、どうか。

◎朝倉会計管理者 会計管理者が権利能力なき社団に対する支払いを拒む権限は持っていないと思っている。

◆新谷博範委員 もう堂々巡りである。誰が権限を持っているのか聞いている。あなたに命令しているのは誰か。

◎朝倉会計管理者 私は命令されているわけではなく、審査基準にのっとって判断しており、権利能力なき社団に対する支払いは駄目だという法律もないし、市役所内部のルールもないので、現実に支払いを行っている。

◆新谷博範委員 私は権利能力なき社団に振り込むのが駄目だとは言っていない。権利能力なき社団でも、ちゃんと法的責任と事業委託を受けたときの責任を負うと、これには法的な責任と賠償責任は伴うという一文を取らなければいけない、事務上の瑕疵があるかもしれないとさっきから言っているのである。全ての権利能力なき社団に振り込むのが駄目だとは言っていない。一筆も取らずに、誰も責任を負わないようなところに毎年税金が流れていることがおかしいから、その審査基準を聞いた。そして、その審査基準は誰がつくるのか、あなたに命令する人がいなかったら、誰が命令するのか、あなたは事務上の瑕疵があるという基準をつくる権限もあるのではないかと聞いたが、どうか。

◎朝倉会計管理者 事業の執行に関して会計管理者が契約の相手方を誰にするというようなルールをつくることはできないと考えている。

◆新谷博範委員 誰にするなんて言っていない。もう支出命令書に相手方が書いてあり、あなたはその口座が全部金融機関によって担保されていると確認した。担保された口座に振り込まれたそのお金に関して、権利能力なき社団は責任を負うが、この社団は最初から賠償責任も法的責任も持たない社団が、そこにお金が行っている。一体誰が、毎年1,000万円以上流れているお金に関して法的責任と賠償責任を負うのか、振り込むときは一筆取るべきではないのかを聞いた。口座を確認しても、1,000万円以上支払う団体なのに、ちゃんとやれるか不安に思わないかと聞いたら、分からないが権利能力なき社団に振り込むと。法的責任も賠償責任も負わないのは、事務上の瑕疵に当たると私は思うが、それはよい。審査基準はあなたがつくれるのか、もう一度聞く。

◎朝倉会計管理者 会計管理者が恣意的に、個人的に嫌いだから払えないなどとはできないので、法令に遵守しているかどうか、あるいは条例に違反していないかを審査しており、それがルールといえばルールになる。また、一筆取るかどうかについては、最初に述べたとおり、代表者から誓約書などを取ると個人に対して必要以上の責任を負わせる可能性があり、大変難しいことだと思っている。