活動報告

令和3年3月12日 文教消防常任委員会質問答弁

更新日時:2021.03.13

◆新谷博範委員 文化政策課のこども芸術文化体験フェスタについて聞く。このコロナ禍で開催されることはすばらしいと思うが、どれくらいの対象人数を想定して開催されるものなのか。

◎新保文化政策課長 土曜日だが、加賀宝生子ども塾や素囃子子ども塾については、公開稽古なので定員はないものの、今回、コロナ禍であることから、密を避ける形で開催する。ただ、お茶会については、時間ごとに6組12名、体験教室については大体5名から10名とし、30分から1時間で開催する。全体で土曜日が230名、日曜日が234名の定員で体験教室を行っており、それ以外では定員がなく、密を避ける形で参加してもらえるようなイベントである。

◆新谷博範委員 コロナ禍で、このイベントはとてもよいものだと思うが、金沢市内の全小学生を対象にすると仮定した場合、コロナ禍だからこれだけの定員なのか、それとも、通常もこのような定員なのか。対象が大きければ抽せんに漏れる人も少なくなると思う。コロナ禍だからこそ、安心なところに集まると思う。定員の決め方については、全体の中でどのような割り出しをしているのか。

◎新保文化政策課長 これまで、このようなイベントがコロナ前も当然あったわけであり、例えばお茶会では、今回は6組12名、1時間に6組しかできないが、大体30組ぐらいはこなせるだろうと思っている。全てのものについて、3倍から5倍は当然できると考えているが、密を避けるため、どうしても間隔をあけたり、参加者の健康を考えるとこれだけになった。したがって、1,000人から1,500人程度は普通のイベントでは当然できると思っている。

◆新谷博範委員 それでは、コロナが明ければ、その規模に戻してもらいたいと思う。この規模はコロナ禍ということで理解した。
災害時における避難所用簡易間仕切り等の供給に関する協定だが、NPO法人と協定を結んだということだった。NPO法人が供給にどう責任を持てるのか、説明してほしい。

▲石山危機管理課長 今回の協定の締結相手はNPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワークというところだが、ここは建築家の坂茂氏が代表を務めているNPO法人である。ここは設計を主にやっている法人だが、紙管や間仕切りとして使うためには、仕切りになる布などが必要になってくる。そういったところは、このNPO法人が協力企業を確保しており、そこと供給の契約ができているということである。本市としては、災害時にNPO法人に連絡すれば、それらの協力企業から資材が提供され、直ちに物が入ってくるという段取りになっている。

◆新谷博範委員 私は、それについてもう一度確認しなければいけないと思っている。供給に関する協定である。NPO法人が金沢市から供給が必要だと言ってきたとき、NPO法人を通して各企業にこれだけの数を用意するよう発注をかけ、それを集めてくる。供給を1つのNPO法人に仕切らせる。災害のときはいっぱい必要なわけである。なぜNPO法人が供給に関して責任が持てるのか、分からない。坂さんが立派な人で知られているからというのは、このNPO法人が供給に関して保証できる理由になるのか。

▲石山危機管理課長 今回の協定を結んだ製品は紙の間仕切りシステムというものだが、これは坂氏の建築事務所が世界に先駆けて扱っており、広く実績もあるということである。それがこれまでの災害現場で供給されているところだが、紙管を作っている企業を何社か確保している。間仕切りの布を作る会社と契約を結び、確保されている。委員指摘のとおり、災害時には、実際に作るところからそれぞれ供給してもらえばよいのではないかという意見は当然あろうかと思うが、市としては、協定を結ぶことで迅速に提供してもらえるというメリットがあるので、このNPO法人と協定を結ばせてもらった。災害のとき、間仕切りはここ、布はこちらというふうにそれぞれ発注することになると、現場の混乱の状況下では非常に煩雑になるということもあり、これまでの実績として、他の市町や県等においても、このNPO法人と協定を結んでいる実績もあるので、それに倣う形でやらせてもらったということである。

◆新谷博範委員 私が言っているのは、災害時において供給はいろいろな場所で必要になるし、ここのNPO法人が仕入れているところからその物が入ってきて、それを輸送するということ自体、非常に疑問があると思う。こんな大きな供給に関する協定ではなく、坂氏が持っている特許――紙の間仕切りシステムについて、そのシステムが応用できるようになるアドバイザリーといった協定になっていれば十分ではないかと思う。なぜ供給に関して優先的にここが供給元に指定されなければいけないのか。私自身、行政の公平性において、このような特定法人であっても、NPO法人が独占的にこういう協定を結ぶことに関して違和感があるのだが、どうか。

▲石山危機管理課長 このNPO法人は、その物を実際に作っているところではないので、物はそれぞれの企業から入ってくることになろうかと思っている。NPO法人が契約している、実際に物を供給してもらえる企業が県内にも確保されているので、迅速に物が入ってくると思っているが、委員の懸念も当然のことと思っている。この協定に基づき、実際に災害が起こったときには、現場、事務方も含め、かなりの混乱が予想される。そのような中で、迅速に物が入ってくることを優先的に考えた結果、これを全国で広く供給している実績があるこのNPO法人とあらかじめ協定を結んでおくことが、災害時においては非常に有用ではないかと考慮し、協定を結んだところである。このNPO法人以外に、こういった供給ができるかについては、詳細に調査しているわけではないが、このNPO法人と物品の供給の契約をしたということではなく、これまでの災害において、災害の発生から2日ないし3日で物が供給されているという実績があることから、非常に有効だということで協定を結んだということを理解してもらえればと思う。

◆新谷博範委員 県内でもいろいろな防災協定を結んでくれる企業もあるので、そういう企業が扱う資材の確保も含め、このような供給の協定については、ほかの市も巻き込んでいるので、責任と説明をしっかりするようにしてほしい。
教職員の残業時間の統計の取り方について、もう何回も言っているが、これは平均値である。目標値がしっかりとあるべきである。月40時間が目標値なのか。普通、このような統計では中央値というものがある。中央値としては、一体何時間なのか。統計上、平均値の時間を出しても意味がないのではないか。

▽羽場学校職員課長 特に中央値というものは出していないが、資料2ページ目のとおり、45時間、60時間、80時間までという、それぞれの割合の分布を出している状況である。

◆新谷博範委員 このような統計はしっかりしないといけない。平均残業時間ではなく、少し統計のことを勉強したことがある人であれば、中央値が平均値より優秀だということは分かっている。先ほど2%下がったと説明があったが、3%以内は全て誤差の範囲内というのが普通の統計上の解釈なのに、それを堂々と2%下がったというのは、統計調査としてはおかしいと思う。統計を学校で教えている教育委員会がこのような誤差や正確さに欠ける資料を出してよいと思うのか。

▽羽場学校職員課長 勤務時間の集計等については、石川県教育委員会の集計と同じくして公表しており、金沢市の状況を県教委に伝え、石川県全体の数値も公表しているということで理解してほしいと思っている。

◆新谷博範委員 今は、金沢市議会の文教消防常任委員会で質問し、答弁しているのである。県に報告するためのデータはつくればよいが、もっと分析しなければいけないのではないかと思う。教員の残業時間については、これまでに何回も本委員会で報告されているが、きちんと正確に現実を把握するべきである。県教委への報告を言い訳にするのではなく、市教委としてしっかり分析しないと一歩前に進めないと思う。目標値も何も書いていないが、もう少し正確に、そして、金沢市教育委員会として何時間が一番適正なのか、目標に到達するにはどれくらいの教員を補充しなければいけないのか、また、教頭が普通の教員よりも1.5倍の残業時間となっており、常に70時間あるという状態をどうしたら改善できるのかの基礎資料になるのであれば、しっかりとしたものがなければ改善できないと思わないか。

▽羽場学校職員課長 金沢市立学校における教職員が本務に専念するための時間の確保に向けた取組方針の中で、本市の達成目標としては、全校種で時間外勤務時間の80時間超えをゼロにするということである。10月から12月までについては、小学校が2.8%、中学校が18.5%いるということであり、ここをとにかくゼロにするという目標に基づいて行っている。また、今回の集計を行うに当たり、学校ごとの集計も行っているが、それぞれの学校ごとで80時間超えとなった者がどれぐらいいるか、そのことを校長と共有しながら少しでも達成に向けて業務改善を行うように指導しているところである。

◆新谷博範委員 80時間超えゼロという目標が最初から甘いと思う。80時間というと、1日の平均労働時間が8時間であれば、10日間である。普通、カレンダーで見ると月に20日間しか働かないのに、10日間を足すと、毎日働いていることになる。その目標自体が妥当なのかどうか、きちんとした数値を見て把握しなければいけない。この議論が不毛にならないため、次の委員会で中央値が出され、新しい目標として、どれくらいの職員の時間外勤務時間がどれくらいに下がるのか、きちんとした統計上の目標を出して進めていかなければならないと思う。そのためにはどうすればよいのか、しっかりと考えてほしい。
出張図書館モデル事業について、以前も質問したが、また連続で同じ数値のアンケート調査結果を長々と報告している。たった53名の調査結果を後生大事にしている。また、次のアンケート調査については55名である。金沢市民は46万人いるわけである。利用者53名と55名のアンケート結果で自分が分かったように今後の方向性を出すという手法はあまりにも雑ではないか。

◇池田図書館総務課長 初めて来場した人に、こちらのほうからアンケートに協力してもらえないか、毎回お願いしているところである。まず1月末現在での報告として、53名から回答があったということであり、引き続きアンケートを行い、利用者のニーズを調査し、よりよいサービスを提供していきたいと考えている。

◆新谷博範委員 そうなると、このアンケートは序章にすぎないということである。そうであれば理解する。次に、金沢市民全体に対して本格的なアンケートをするということなのか。今回の出張図書館で、図書館が必要なのか、図書館のニーズがどこにあるのか、しっかりとした調査をするための前提の調査と理解してよいのか。

◇池田図書館総務課長 まず、イオン金沢及び安原公民館において、引き続き2月、3月に来場者アンケートを取り、モデル事業の在り方も含め調査していきたいと考えている。また、図書館における利用者アンケートで、実施場所についてもアンケートを取っていきたいと考えている。

◆新谷博範委員 きちんとした調査をしないと、図書館に対する金沢市民のニーズ――需要をしっかり把握できないと思う。特に安原地区は、金沢市でいう西南部にあり、一番海側になる。福久地区は北部である。両極で実施したわけである。しかし、金沢市は広いので、しっかりと調査してほしいと思う。
こういった報告があるとき、私は一つ思うことがある。例えば、宇宙教育推進計画として、すばらしく正確な物理学の先端の宇宙教育をしようというのに、きちんとしたデータの分析ができてない。教育長は、これらのデータにきちんと目を通しているのか。統計上、これはおかしいと思わないのか。教育長の所感を聞く。

●野口教育長 データはヒアリングを通して見ている。まず、教職員の本務に専念するための時間の統計については、県と合わせてしっかりと調査していこうということなので、委員指摘のように、統計上、これから検討を加え、実が上がるように考えていきたいと思っている。図書館については、2つの場所での調査なので、今後、その調査が広がるよう、しっかりと取り組んでいきたいと思っている。

◆新谷博範委員 こういう調査をするときは、きちんとしたサンプリング――標本数と、しっかりとした科学的なデータ分析がなされていないと、結局、何回やっても意味がないのではないか。県がどうのこうのではない。金沢市の教育委員会として、金沢市内で働いている小中学校の教員の労働時間がどうあるべきなのか、そして、それに対してどう向かっていくのか、それは県には後で報告するのか、それとも、県がよいと言っているのだからよいのではないかということなのか、どっちなのか。結局、きちんとしたデータ分析に基づき全てを改善するのか。

●野口教育長 今、手元の資料にあるように、その数値を基にしながら、今後、さらにどう改善していくか議論しているところなので、さらにその数字が先に進むよう、しっかりと進めていきたいと思っている。