活動報告

令和2年11月16日 文教消防常任委員会質問答弁

更新日時:2020.11.17

◆新谷博範委員 金沢市文化芸術アクションプランについて聞く。文化芸術アクションプランという非常に抽象的な言葉であり、また、片仮名で新しい日常をニューノーマルと言っているが、誰がつくったのか訳が分からない和製英語でごまかしている。ここで言っている文化芸術の薫るまち、文化芸術とは、具体的に何を指しているのか。私はこれを読むだけでは分からないので、もう一回説明してもらいたい。

◎新保文化政策課長 プランの方向性の中で、まず、文化芸術に関してどういったまちにしたいかということで4つの方向性を出している。1つは文化芸術の薫るまちで、これが抽象的だという指摘だったと思うが、我々とすれば、まずは現状の課題を把握した上で、どのようなことをどのような状態にしたいか、そして、その状態にするためにどのようなことをしていくかということがあると思っている。施策については、来月、プランの骨子案を出すときに、どのようなことをすればそのようなことになるかということを出したいと思っている。具体的なことについては、今のところ3つの柱を考えているが、継承、発信のためにどんなことをすべきか、また、文化芸術に親しむ機会を創出するためにどんなことをすべきか、そして、文化芸術の資源をどのように活用していくかということの中で、文化芸術の薫るまちというものをつくっていきたいということである。今ほどの抽象的ではないかという指摘も踏まえ、来月のプランでは、どのようにするかということについて検討してもらえればと思っている。

◆新谷博範委員 策定の目的だが、伝統文化の継承・振興と新たな文化の創造・醸成・発信を図るとともに、文化芸術の持つ価値――本質的価値及び社会的・経済的価値を活かした実践的な文化芸術と書いてある。今後10年間、実践的な文化芸術政策を展開するために具体的に何をするのか、はっきりと書いてほしい。また、市民向けアンケートのeモニターだが、不思議に思っている。eモニター制度の登録者250名へのアンケートの質問がおかしい。金沢市は文化芸術の盛んな都市だと思うかについては、何と比較して盛んな都市だと答えればよいのか。質問が変だと思う。ほかにもおかしな質問が多い。文化芸術の鑑賞に興味・関心はあるか、文化芸術の活動に興味・関心はあるかについては、同じ質問である。鑑賞イコール文化芸術の活動に近いものであるから、設問がおかしいし、質問の登録者数250名もおかしい。どのような意図でこの250名が選抜され、このような質問になったのか。金沢市民は、文化芸術の活動に非常に関心があるが、子どもが文化芸術に触れる機会については7割の人が少ないと言っている。要するに、この回答そのものが自己矛盾を起こしていると思う。文化芸術が盛んなまちだと言っているのに、子どもが触れる機会は少ない。そして文化活動を行っているかについては、8割以上の人はやっていないとの回答である。この質問と回答について、矛盾していると思わないか。

◎新保文化政策課長 eモニターのアンケート調査だが、これは広報広聴課が毎年、行っているものである。今般、文化芸術アクションプランを策定するに当たり、市全体ではもっとたくさん項目があるが、その中にこのような項目を入れてもらったものである。この250名はeモニター全体の母数であり、例年250名と決められていると認識している。その中で221名がこの項目に関心を持って回答したということである。文化芸術の盛んな都市だと思うかについて、何と比較してなのかを項目に入れていないので、自分なりにほかのまちと比べ、自分の感覚で答えてもらっていると認識している。金沢市を文化芸術の盛んな都市だと思うかと言われたとき、自分の感覚として、思う、思わないを答えてもらったということである。また、鑑賞と活動だが、鑑賞は受け身のものであり、活動は自分がしているか、していないかという能動的な意味だと認識している。当然、答えた人はそこまで意識しているかどうか分からない。金沢が芸術文化の盛んなまちでありながらも、自分たちがやっていないという部分については、自己矛盾でもありながら、なかなか自分の周りの環境がそれを許していないということではないかと思われる。興味を持ちながらも忙しくてできないこともあり得る。これ自体、何のためにやっているかだが、例えば、こういうものが評価指標にならないかということである。例えば毎年同じ項目で回答を取っていった場合、文化芸術の盛んな都市だと思う人がもっと増えていかないか、それから、例えば子どもが文化芸術に親しむ機会が少ないという答えについて、もっと多くなっていくにはどのような施策を組もうかということの評価指標として使えないかと考えており、そういった意味での調査をしたものである。

◆新谷博範委員 向こう10年の文化芸術活動の実践的政策をやるのだから、46万人都市のモニターとして、きちんとしたサンプルと現実評価の調査がなければ、よいものにならないと思う。
次に、文化財保護課もおかしいと思う。広く市民からの提案を募るアンケートだが、有権者数で35万人ぐらいいる中で、1か月と10日間以上で集まったアンケートが22件しかない。このようなものがアンケートと言えるのか。

◎新保文化政策課長 このアンケートだが、例えば、ある対象になる何百人の人にアンケート用紙を配布した後、その人たちから回答をもらう形ではない。自分の意思で回答する人に参加してもらう形になっている。それが確かに分かりにくく、宣伝不足で、数が少ないという指摘もそのとおりだと思う。もう少し期間を延ばすなどにより、件数がたくさん出てくるように工夫したいと思っている。ただ、地域のお宝等について聞いているものであり、そんなにたくさん、みんながそれぞれお宝をたくさん知っている状況でもないので、時間をかけながら、もう少しPRしながら集めていきたいと思っている。公民館については、全公民館にお願いしているが、もっと徹底的に調べて出したいということで、今まさに取り組んでもらい、回答を一生懸命つくってもらっているところなので、ほぼ全館に近い形で回答がもらえるものと思っている。

◆新谷博範委員 資料には文化財保護における市民の関心度をはかると書いてある。これがメインなわけではないか。計画において対象とすることができる未指定の文化財を広く市民から提案を募るアンケート調査を実施したのである。そして集まったのが22件である。金沢市内に公民館は一体幾つあり、幾つの公民館から回答が出ていないのか。期間を延長し、あれだけ補助金も出しているのに、まだ答えてくれていないようだが、どうなのか。

◎新保文化政策課長 今、公民館の数は正確に把握していないが、回答が22件あるので、恐らくあと30館以上は回答をもらえるものと思っている。

◆新谷博範委員  そこを徹底しないといけない。期間を決めてあったわけである。そして、公民館には大きな運営補助金が入っているわけである。各地区にある公民館を通して広く地域のお宝を探すのであれば、きちんと答えてもらうようにしなければいけない。標本数もしっかりしないといけない。この広い市域に46万人がいて、海から山まである。海もいろいろな地区がある。その地域の宝を本当に探そうという姿勢だと思えない。地域のお宝を探すアンケートや姿勢がこれで十分だと思うか。

◎新保文化政策課長 決して十分ではないと思っているので、指摘も踏まえ、再度、公民館にも協力を依頼する。10月29日に開かれた協議会には町会連合会の役員も出席していた。なぜ公民館なのかと指摘があった。もっと幅広くアンケートを取るには町会連合会を通して調査するべきでないか、そのほうがたくさんの協力が得られるのではないかと指摘があった。その後、公民館連合会及び町会連合会と協議し、窓口は公民館とし、公民館から各町会へ緊密に連絡を取り、アンケートに回答するよう連絡してもらうこととなった。町会と公民館が連携して回答してもらえることになっている。そのため時間をさらに要しているのではないかと思っているが、そこは反省し、もう少し期間を取り、もう一度PRの方法を検討するなど、たくさんの掘り起こしをしたい。本当はこれぐらいの件数ではなく、もっとたくさんの回答が欲しいと思っている。大変よい事業だが、時間がたてばたつほどどんどん失われていくので、早く調べてほしいと、電話でもいろいろな意見をもらっている。そういったものが失われる前に広く地域のいろいろな話や民話も含め拾いたいと思っている。委員指摘のとおりだと思っており、そのためにはまだ努力が足りないことは反省しているので、もう少し頑張りたい。

◆新谷博範委員  頑張ってほしい。
金沢市役所への爆破予告及び対応について聞く。今年度の4月から何回目になるのか。

△石山危機管理課長 4月からの爆破予告の件数は、今回の11月の案件を含めて4件である。

◆新谷博範委員 いつも送信元が分からず、特定できない。今年度も4件あるが、秘書課、監理課、資産税課、市民税課、ITビジネスプラザなど、いろいろな課のメールアドレスに届いている。メールアドレスにフィルターをかけないと、今後も相手方が不明の攻撃にさらされる。そのようなフィルターはかけていないのか。

△石山危機管理課長 市役所のメールシステムは、LGWANという石川県全体で行政の情報を統括しているシステムになっており、そこを経由して金沢市に届いている。迷惑メールやそういったものも設定によっては一部排除できると聞いている。ただ、そのメールが果たして迷惑メールなのか、あるいは本当に何かを意図して送ろうとしているものなのか、メール本体だけでは判別できないこともあるため、排除することがよいのか悪いのかという懸念がある。したがって、現状では、フィルターには引っかからず、ほぼ全部のメールが届く。例えばウイルスの排除には効果を発揮しているようだが、こういった迷惑メールについては、全て送られてきている状況だと聞いている。

◆新谷博範委員 おかしいと思う。そのたびに職員が朝4時から待機する。金沢市だけではない。ほかの自治体も同じように、万が一に備え、待機しているわけである。金沢市議会にも、議会を爆破するというメールが今年度の4月頃にあった。実際にフィルターを抜けて届いてしまっていることが問題である。このような秘書課や監理課、資産税課、市民税課への匿名のメールについては、しっかりとプライバシーが守られなければならない一方で、誰が発信したか、発信元が不明のものはフィルターにかけて外すことを危機管理課で考えていかなければ、誰が送ったかばれないので、永遠に愉快犯のようなメールが来てしまう。送られているのは金沢市だけではないと思うし、もしかしたら送っているのは金沢市民ではないかもしれない。東京や大阪や名古屋の人かもしれない。どこからでも常に攻撃にさらされ続けると思わないか。このことについて、何か対応が必要だと思わないのか。

△石山危機管理課長 委員指摘のとおり、同様の案件が全国で発生している。それについて、それぞれのところで巡回、監視などを強いられている状況がある。その結果、何事もないことが連続しているのも事実である。これについては、我々も大変苦慮している。そのために警察等に事案の報告をして、例えば石川県警にはサイバー班がある。そういったところで調査を行ってもらっているところだが、実際には海外のサーバーを何か所か経由し送られてくることから、送信元の特定ができないところで止まっているのが現状である。一方で、過日報道にあった大阪の学生で同様のメールを送った事案があり、逮捕されたこともあった。必ずしも全部が送信者不明ということでもないので、このような事案が発生するたびに警察等との連携を密にしながら、送信者を特定し、事案の解決に結びつけていきたいと考えている。

◆新谷博範委員 送信者の特定ができないから日本中でこんな問題が起きている。危機管理監として、フィルターをかけて、発信者不明のメールは受け取らない。発信者が自分の住所やメールアドレスを打ち込まないとアクセスできないようにフィルターをかけることを研究する必要があると思わないのか。

△石山危機管理課長 メールの送り方は2通りある。市の各部署のメールアドレスにダイレクトにメールを送る方法と、もう一つ、市の広報広聴課がホームページ上に意見を寄せてもらいやすくするための投稿フォームがあり、そこに書き込む方法の2通りである。前者については、各部署のメールアドレスに送るためには、自分のメールアドレスから送る必要があるので、その場合は特定が容易になるのではないかと考えている。また、迷惑メールであるかどうかの判別もしやすいと思っている。LGWANのシステムにフィルター機能もあるので、警察と連携しながら、そういったことも検討していきたい。ただ、後者については、送る人が自分でメールアドレスを自由に記載することができる。返信が必要な場合、そこに記載されたとおりのアドレスに送り返せばよいが、そこに偽のメールアドレスを記載している場合、そのメールがどこから発信されたものか分からなくなってしまう。メール上のアドレスであるIPアドレスについてもたどることができないので、なかなか調査が難しいと考えている。いずれにしても、危機管理課と情報担当部局と連携しながら、今後ともそういったものを受け取らなくできるよう調査研究を進めていきたい。

◆新谷博範委員 送りつけられっ放しがこのまま続くと、みんないいかげん疲れてしまう。危機管理監でまた考えてほしいと思う。
続けて、熊の出没について聞く。私の地元にすごく近い田上本町で、新しい小学校が建設されるところだが、たった3日間の間に2人の人間が襲われている。偶然出会っただけなので、熊は襲ったつもりはないのかもしれないが、被害があった。これについてはどうするのか。どのようにして原因を究明し、どのように対策していくのか。おりを設置するだけでは解決しないのではないかと思うが、どうか。

△石山危機管理課長 熊については、森林再生課が所管し、対応している。資料に記載のとおり、それぞれ緊急に対応し、継続して事案の解決に向けて努力しているところである。残念ながら熊の捕獲には至っていないが、なし得る方策を取りながら解決に向けて努力していると聞いている。

◆新谷博範委員 所管課から解決に向けて努力していることを聞くのが危機管理課なのか。その原因は何だったのか。田上本町は通学路で子どもが歩いているところである。そこで実際に起きている。危機管理課は何をするところなのか。

△石山危機管理課長 危機管理課としては、こういった事象も含め、危機管理事案の対応をしている。ただ、全て危機管理課で完結して実施できるものではない。それぞれの事案ごとに所管の部局があるので、その部局と連携を密にしながら、情報の収集、発信に努めている。現場での実施については、それぞれの部局が対応しているところである。なお、危機管理課では、それぞれの事案ごとに、こういったことをやってはどうかといった助言も行っている。例えば、田上本町での事案に関しては、消防との連携の部分でこういったこともできると提案したり、柿の摘果についても、食べ物がある以上、熊がそこに継続して出没すると言われているので、そういったことに注力してはどうかと話をしているところである。連携を強化しながら対応していきたい。

◆新谷博範委員 いつも餌不足と言う。柿の摘果だが、柿は去年からなっている。田上本町の平野でも、柿は毎年なっている。熊が下りてきたのは餌不足だったと言うが、餌不足が予想できていたなら、山に餌を置いてくるような努力をすることは考えなかったのか。餌が足りないのであれば、どこに置くか、また、おりも今のもので十分なのか、そのような研究を危機管理課がしなければ、各所管課だけではなかなか判断できないのではないか。危機管理課は、こういう事態が起きたとき、情報収集し、消防に提案することが仕事だと思うか。

△石山危機管理課長 危機管理課の仕事として不十分ではないかとの指摘だったと思う。指摘は受け止めたいと思う。ただ、現状の人員で様々な事案に対応していることから、危機管理課として全ての事案を完結できるものでもない。一義的には、例えば熊の場合であると農林水産局が対応する。そういったことを踏まえ、我々としては協力しながら対応したいと考えているところである。

◆新谷博範委員 きちんと人員を配置し、頑張ってほしい。
教育委員会の報告案件で面白い提案があった。こんな面白いことがあるのかと思った。金沢市で、宇宙教育推進計画である。これは一体何をやるのか。趣旨に書いてある今後の宇宙時代を担う人材とは、私は聞いたことがないが、どんな人材なのか。

▲村田生涯学習課長 金沢市宇宙教育推進計画では、2つの大きな柱で取り組んでいく。そのうちの一つに宇宙分野での貢献を本気で目指す人材の育成に取り組んでいる。

◆新谷博範委員 宇宙分野はいろいろある。宇宙の機械をつくるのも宇宙時代だと思う。宇宙ロケットの一部分をつくる人もいるし、宇宙飛行士を目指す人もいる。今後の宇宙時代を担う人材自身が曖昧なことを言っていると思う。また、基本理念が「夢や希望を育み 新たな価値創造に挑む 金沢のひと・まちづくり」とあるが、何も宇宙と関係ないのではないか。宇宙教育推進計画の基本理念に何の関係もないと思わないのか。

▲村田生涯学習課長 宇宙教育推進計画の基本理念には、宇宙という言葉は入っていないが、宇宙を題材として子どもたちがいろいろなことにチャレンジしていく、子どもたちのチャレンジ精神を養うという趣旨が含まれている。人材の育成だが、宇宙時代を担う人材とは、例えば宇宙飛行士を目指すこともあるし、人工衛星の部品を製造するといったことを地域の産業として興していくこともある。いろいろなシーンが想定されるので、新しい計画の中で、例えば産学官の連携を進め、産業分野でも宇宙産業の取組が生まれてほしいということである。

◆新谷博範委員 私が言っているのは、基本理念や目指す姿が宇宙と何の関係もないということである。何にでも当てはまるわけである。宇宙をこういうふうに目指すのなら、宇宙教育とは何なのか、関連のあるものをしっかりとしていかなければ、せっかく取り組んだのに何の実も結ばず、ただやっているようなことになるので、宇宙教育として、宇宙への人材と関連をしっかりと具体的に表してもらうようお願いしておく。