活動報告

令和2年7月10日 文教消防常任委員会質問答弁

更新日時:2020.07.11

◆新谷博範委員 芸術文化ホールにおける民間活力の導入について、この経緯をもう一度説明してほしい。私としては唐突感が否めないと思っている。いつから議論しており、いつ提案されたものなのか。

◎新保文化政策課長 芸術文化ホールにおける民間活力の導入については、行政改革推進委員会を7月8日に開催し、その中で提案されたものである。この中で、芸術文化ホールについては、指定管理者制度を導入する前は、民間企業に管理を委託できないかという議論がなされていたことから、財団を設立し、管理を委託してきた経緯がある。指定管理者制度導入後、芸術文化ホールについては、一旦、公募施設になった。平成18年度から平成22年度まで、金沢歌劇座及び文化ホールについては、現在と同様に金沢芸術創造財団が、また、アートホールについては民間企業が管理運営を担っている。平成22年度末に条例を改正し、平成23年度からは3ホールとも選考施設となり、現在に至っている。今般、時代の流れの中で、市民サービスのさらなる向上を図る観点から、ホール運営に民間活力を導入すべきとの議論があること、また、総務省の調査では半数近くのホールが公募により管理運営委託者を選定している事情も鑑み、このような手法について文化スポーツ局から行政改革の中で提案し、財団と協議しながら進めてきたものである。

◆新谷博範委員 時代の流れの中で提案したと言うが、今は財団が運営している。基本的に同じ公募の形でやってきたと思うが、民間活力と何が違うのか。財団もある種、企業局のような形で、ホールを運営するためにあると思っているが、なぜ今、急に民間活力を導入するのか。財団で駄目な理由は何なのか。

◎新保文化政策課長 今、管理を担っている芸術創造財団については、公益性及び公共性の観点から、採算性が合わないような自主事業等についても担ってもらっている。ただ、民間企業がそのような文化芸術事業に参画した場合、より質の高い公演といったものを誘致できる。また、広報機能についても、財団よりも上回っている部分があるのではないかということもある。そのような民間が得意分野とするものを財団運営の中に導入できないかと考えている。

◆新谷博範委員 要するに、これまで財団でやってきたことは手ぬるかったので、もっと能力のある民間企業の活力を生かしてみたいと理解してよいか。

◎新保文化政策課長 これまでの財団運営を評価していないのではない。今後、より稼働率を上げたり、さらなる市民サービスの向上を図るためには、一度、このような民間活力を導入したほうが可能性があるのではないかということから提案したものである。

◆新谷博範委員 私はホールに非常に興味がある。金沢歌劇座だが、英語名ではオペラ座である。金沢市が管理しているホールの稼働率は非常に高いはずである。民間に頼めば、今より稼働率が高くなるのか。実際に、金沢歌劇座を含め、本市のホールは非常に稼働率が高いはずだが、例年よりそんなに落ちていたのか。

◎新保文化政策課長 それほど落ちていないが、横ばいで続いていた。

◆新谷博範委員 そうである。一番高い稼働率である金沢歌劇座で65%を維持している。公的な部分については、財団が運営していたから安心があり、いろいろな人たちが使いこなせている。文化ホールも同じで、いっぱい使われている。稼働率もそうだが、民間活力を導入するとなると、利益率や採算性も問われることになる。そうなると、稼働率は無視されやすくなると思わないか。

◎新保文化政策課長 稼働率が上がることに伴い、ホールの使用料収入が入る。使用料収入が入り、稼働率が上がるということは、それだけ市民がホールを利用することになる。もし仮に民間企業が参入し、これまで財団ができなかったような事業を誘致することで、より質の高い芸術文化の催しが可能となれば、ホール自体の収益にも跳ね返ってくるものと思っている。

◆新谷博範委員 一つの実験としてこのような提案があったと思う。しかし、どうしてこの時期なのか、私はどうしても解せない。いきなり、常任委員会に報告案件として上がってきている。財団運営から民間活力へと、今までから根本的に180度変わることになるが、例えば4月など、もう少しきちんとした区切りの時期ではなく、一体なぜこの時期なのか、いつから準備していたのか聞かせてほしい。

◎新保文化政策課長 行政改革推進大綱や行政改革推進計画等に、民間活力の導入についてはこれまでも入っており、ホール運営についても内部で検討を進めていた。今年度末が指定管理期間である5か年の終了年になる。これまでの5年間、財団がホール運営を担ってきた中で、行政改革としてこういった議論をしてきたが、今回、5年間の区切りとなる。もう一回、いきなり公募に変えることになったとしても、これまで財団が培ってきた経験もある。このような中で、2か年だけ財団と民間企業によるものとして実施したいということである。