活動報告

令和2年1月16日 市民福祉常任委員会質問答弁

更新日時:2020.01.17

◆新谷博範副委員長 「いつでもどこでも脳活プログラム」の報告があったが、せっかくつくったのに、地域包括支援センターの職員やオレンジパートナー、デイサービスの職員をわざわざ呼び集めて、そしてプログラム指導者を養成して、その人たちに周知させる。このプログラムは、要するにつくっただけで、検証はどうやってできるのか。報告案件でも、こういういいかげんな報告はやめてほしいと思うがどうか。

◎細井地域長寿課長 私たちとすれば、せっかくつくったプログラムであり、地域の人や高齢者に実践してもらいたい。ここで挙げた地域包括支援センターの認知症地域支援推進員とか、あとはオレンジパートナーとか、各事業所で働いているデイサービスの職員を通じて、いろいろなところで実践してほしいので、このような講習会を実践していく。実際の効果は、そう簡単ではなく、すぐに認知症の人が減ったということにはつながらないと思うが、広くいろいろなところで取り組んでもらうことがまず大事だと思っているので、そういう意味で広くこのような研修会を開いていくことを考えている。

◆新谷博範副委員長 2月、3月はみんな忙しい。市役所がこんなプログラムをつくったから、これを普及するために指導員になれという。研修会を1回か2回して、今後自分のところでこのプログラムを普及しなさいという、そんな無責任なプログラムをつくることがおかしいと言っている。実際、効果もわからない。この年度末のこの時期にこのプログラムを書き上げて、ユーチューブに上げて、2月、3月に1回か2回の研修会を開催して、仕事をしている人に全員集まりなさいという。市役所がプログラムをつくったから、自分たちのところで、この「いつでもどこでも脳活プログラム」をやりなさいということは、押しつけがましいし、自己満足のようなプログラムの作成は今後控えたらよいのではないかと思うがいかがか。

◎細井地域長寿課長 委員指摘のとおり、確かに2月、3月という時期の発信は私たちも反省材料と考えている。ただ、実際にこれをつくるに当たっては、夏からずっと作業療法士会といろいろ作業してきて、今回このような状況に至ったわけである。今後は、このような時期につくらないよう、十分注意したい。

◆新谷博範副委員長 プログラム指導者をどうやって認定できるのか。みんな仕事があって、もう嫌々来て、研修会で話を聞いているわけである。そんな人にプログラムの指導者になれといってなれるものではない。だから、こういうプログラムを作成するときは、よく言われるSDGsという魔法の言葉の持続可能なプログラムにしなければいけないわけである。このプログラム指導者に誰がなったかどうかをどうやって検証できるのか。これこそ持続不可能なプログラムである。こういうプログラムはしっかりと次の展開と持続可能な研修にしなかったら、せっかく石川県作業療法士会がつくったプログラムが無駄になることになる。
 次に、先ほど質問の中で児童クラブの民設と公設という話があったが、児童クラブに民設と公設があるのか。

◎藤木子育て支援課長 公設はない。

◆新谷博範副委員長 児童クラブに公設はないし、公設と民設の違いもないし、基本的にあるのは児童クラブという事業である。もう一度確認するが、児童クラブという事業があるということでよいか。

◎藤木子育て支援課長 委員指摘のとおり、児童クラブ事業として市が実施をお願いしている。

◆新谷博範副委員長 長い間児童クラブ事業を行っていて、市役所がこの児童クラブ事業を所管していて、常に実態把握しているからこれだけ長く事業も金沢市全域に広がっていると思う。前から言っているが、事業主体が基本的にどこまで権限を持つのか、それを誰が監督、監査するのか、そこがはっきりしていないように思う。この目標が今までチェックできたのか。一体誰が責任者で、誰がこの監査をしているのか。福祉指導監査課長が常にやらなければいけなかったことだったのか、どこかほかの部署が監査しなければいけなかったのか。

◎高柳こども未来部長 放課後児童健全育成事業、児童クラブの経理、あるいは条例に即した最低基準を守っているかどうかについては、現在、福祉指導監査課で監査している。これまで監査していなかったことで、先般の事例があったので監査するようになったが、事業主体については金沢市の場合は地区社会福祉協議会と社会福祉法人、それから児童館で実施する場合もあるが、事業主体を限定して運営をお願いしているところである。今回の事業計画の目標については、これぐらい児童クラブの需要がふえるだろうという計画に基づいているので、児童クラブの整備、あるいは中の職員の研修や質の向上といったものについての所管は、こども未来部子育て支援課になる。

◆新谷博範副委員長 福祉指導監査課長が今後しっかりと97の児童クラブ全部の監査をすると思う。そして、今後とも毎年、児童クラブを監査してもらいたい。
 運営基準だが、非常に腑に落ちないものがある。要するにあるところは児童館を借りていて、面積要件を超えて運営しているとか、例えば建物が、耐震基準も満たさないぼろぼろの家屋で、もし地震でもあって倒壊したら誰の責任になるのか。それと児童クラブの職員に対する待遇の面である。毎年調査しろとは言わないが、今まで長い間この事業をしてきて、誰が監査してきたのか。

◎高柳こども未来部長 監査という形では確かにこれまで行っていない。施設の運営基準について、放課後児童健全育成に関しては市で平成27年度から施行の条例を持っている。例えば今の面積基準については、一応既存不適格--既にあった児童クラブについては適用除外になっている。これはほかの社会福祉施設についても同様だが、条例施行後については、例えば面積であれば1人当たりおおむね1.65平米は確保しなさいということを条例で明記していて、新しく建てたものについてはその基準で行っている。既存の児童館も含めて既存の児童クラブについては、その基準に達していないのは事実である。ただ、それについては監査の中でも一応把握はしているし、改善は常にしていかなければならない。そこは会計基準と違い、すぐにそれが違法ということで指摘をすることではないが、必要な改善は各運営主体と協力しながら行っている。

◆新谷博範副委員長 条例の適用外の児童クラブが運営されていて、市役所は今後ともそれを見逃すのかをはっきりしてほしい。それは法律違反ではないからという理由だが、私はおかしいと思う。条例施行後の児童クラブはこの基準を守っているわけである。毎年、定員が多くふえているところは面積要件が実際にあるのか。児童館にも所定の面積がある。その中に児童クラブがあると実際、割り込んでいて、その面積要件まで使っているのか、誰が監査をするのか。そして、そこに適正な職員を配置しているのだろうが、そこで給与や時間外労働といった労働条件の部分をきちんと把握しているのか。子育て支援課でやるならきちんと監査部隊を持たないとおかしいと思う。児童クラブが、地域の独占的な状態になっていて、逆に言うとある程度柔軟な運営をしている。例えば、今まで行っていると思うが、4年生から6年生までを排除することを、市役所として暗に認めているのか。みんながやっている。こういうことは誰が監査するのか。正直に言って自主的に退会してもらうわけだが、こういうことを市役所は把握しているのか。

◎高柳こども未来部長 毎年度委託料の積算に当たって、学年別の人数は当然把握している。その中で、高学年については実際の地域の実情に合わせて需要があるのか、あるいは委員指摘のとおり、やはり低学年を優先させることで高学年の児童の利用を遠慮してもらっている実態があることは、私たちも承知している。児童クラブについては、何年か前の厚生労働省の通達等により、全学年が利用できるようになっているので、可能な範囲で利用希望があれば全学年を受け入れることが基本であるが、低学年を優先していることが実情としてある。ただ、そういったことについても、私たちもきちんと把握して、もし面積、あるいは職員が足りなければ、その確保を各クラブと協力しながら整備していきたい。

◆新谷博範副委員長 各クラブと協力すると軽く言うが、できるわけがない。そして、その地域ではある種独占的な状態になっていて、監査も行き届いていない。ほかのものが参入するにしても、見えない参入障壁が非常に大きくて、実際問題として入れない。全ての根本はこの事業そのものを規定、定義している団体のルールが曖昧だからだと思っている。要件等を監査していく部隊がどうしても必要だということを述べておく。金沢市内に97クラブもあり、そのうち71クラブが曖昧な任意団体によって運営されているという事実だけは忘れないでほしい。委託している金沢市のルールと監査が今後とも非常に重要だということを指摘しておく。
 市立病院の件だが、この委託契約書をもう一度見ると、第10条に損害賠償の項目がある。第3項には、受注者の債務不履行を第12条または第13条に定めている。この第12条で今回の個人情報の保護を適正に行わなかったことを受けた上での第10条の損害賠償になるが、ここに書いている受注者は富士通北陸支社である。受注者は、第10条第1項に委託業務の執行によって、第三者に損害を与えたときと定めている。つまり、金沢市と病院職員、そして一般の人に損害を与えたわけである。損害を与えたときは、全て自己の責任においてこれを解決しなければならないと契約書に書いてある。契約を守らせなければいけない。今回のこの件に関しては、当病院でかかった費用並びに今回の謝罪文の郵送費、そして再発防止策にかかった費用は全て富士通北陸支社の自己責任になるのか。

◎割田市立病院事務局次長 委員指摘のとおり、その意識は当然病院にもある。今、どうしても病院でやらなければならないことがあるが、その費用、例えばロッカーの設置や施錠つきのボックス、郵送費、これは全部富士通北陸支社に持ってくれということは既に申し入れており、富士通北陸支社からも了解を得ている。

◆新谷博範副委員長 全ては契約に基づいているのだから、再委託先までの責任追及はこの契約書でできるが、再々委託先までは責任追及できない契約書になっている。そして、この第10条第3項にある再委託先に対しても損害賠償を請求する権利を有することになっているから、今回、非常に複雑になると思う。受注先の富士通北陸支社も損害賠償責任を負っているし、再委託先である富士通北陸システムズも賠償責任を負うことになる。確認だが、再委託先が19社あり、その中で関連する再委託先は全部賠償責任を負うということで間違いないか。

◎割田市立病院事務局次長 再委託先については、この富士通北陸支社の原契約に基づいて富士通北陸支社が委託事業を実施する場合は市立病院側の承認を要する。そのために承認申請することが委託契約書にも書いてある。実際、富士通北陸支社から委託作業をする場合の委託申請があるので、当然、委員が指摘されたように再委託先にもそういう責任があると考えている。

◆新谷博範副委員長 富士通北陸支社が受注先だから、富士通北陸支社が責任をとるしかない。9年間も同じ管理体制だったことに不備もあるが、9年間に対する責任追及というのは非常に重いと思う。この富士通北陸支社との契約が令和2年3月末で切れるが、今後の継続はどうするのか。

◎割田市立病院事務局次長 富士通北陸支社との原契約は毎年契約しており、今年度の契約については今年度の3月31日で終了する。病院の電子カルテを中心とした医療情報システムは富士通北陸支社が作成したシステムなので、このシステムを円滑にこれからも運用していくために、これまで富士通北陸支社と契約してきた。今回、このような情報持ち出し事案が発生して、もともとの原因は富士通北陸支社にあったが、医療情報システムを今後も病院の中で円滑に運用していくには、今後も富士通北陸支社との契約は必要であると考えている。

◆新谷博範副委員長 これが情報社会の最大の抜け穴で、一度契約をとってしまうと契約先を変えられない。受注元は膨大なデータとシステムをしっかり把握していて、それも長年にわたってある程度それになれている職員もいるので、一度とったら変えられないという問題が発生する。だから、ここでもう一度契約に基づく損害賠償について聞いたわけである。
 今、再契約を結ぶと答弁があった。金額で年間6,000万円、この金額は随意契約ではない。一応募集をするが、実際問題としてこの情報社会の中では富士通北陸支社以外に手を挙げられないのではないかと思う。今後とも今の体制を維持するためには、多分富士通は非常に重要なのだと思う。ただ、あえて私たち行政にかかわる者は公正を期すという、そして情報社会の抜け穴と抜け道を、あえて行政がここを「泣いて馬謖を斬る」ではないが、ある程度の条件を提示しなかったら、民間同士ならそれでいいとも思うが、行政はそれではいけないと思うが、いかがか。

◎西尾市立病院事務局長 今回、電子カルテの保守業務で情報持ち出し事案があり、責任は富士通北陸支社にあるわけだが、市立病院の電子カルテのシステムを開発したのが富士通北陸支社である。その当時は恐らく入札によって開発業者が決まったのだと思うが、一度システムを開発し、その後に保守管理していくとなると、当然その開発したところが引き続き担っていかないと維持できないことになる。したがって、今の電子カルテシステムが継続する間は、富士通北陸支社と契約していくことになる。今後、新たに電子カルテのシステムを再構築するとか更新するとかといったときには、再び選考ということになる。そのため、来年度も引き続き富士通北陸支社と更新することになると思うが、こういった不祥事に対しては、二度と起こらないように厳重に注意するなど、指導していきたい。

◆新谷博範副委員長 厳重に注意するのではなく、契約に織り込まないといけない。なぜなら、損害賠償が終わってない段階で新しい契約に移る可能性が高いからである。調査結果が3月までに出ないと思う。損害賠償責任を富士通北陸支社は有したまま、新規契約に移行する可能性が高い。この損害賠償の件に関しても、しっかりと3月末までに話し合ってほしい。それが契約更新の条件だと思う。あれだけ大きい会社なので、今回の損害賠償に関しても、市役所、病院、患者を納得させる責任のとり方をよく知っていると思う。インターネットでの謝罪ではなくて、しっかりとした損害賠償の案を3月までに必ず提示させるべきである。もし富士通北陸支社と契約を継続しなければならないなら、再委託先が19社もあるので、契約書の特記事項にもう少ししっかりと記載しておかなければならない。6,000万円の事業に20社の受注先が動いているわけである。だから、そのことも契約書の特記事項にしっかりと書くことと、そして損害賠償の件を必ず3月末までにまとめて、この委員会で報告して、今年度で終わらせるようにすることを要望して、質問を終わる。