活動報告

令和元年12月11日 本会議質問答弁

更新日時:2019.12.12

◆新谷博範議員 9月定例月議会に引き続き質問します。
 図書館の存在意義です。
 過去、江川市長誕生後、犀川以南に泉野図書館が開設し、周辺地域は暗い複数の竹やぶ群とファッションホテルが取り除かれ、現在の文教地区かつ高級住宅地になりました。市長自身、身近に住む泉野図書館開館前と後における地域変化を伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 泉野図書館は、旧国鉄の泉野宿舎跡地の有効活用が求められたことから、その活用策を検討する懇話会の提言を受け、整備に至ったものであります。泉野図書館周辺は、かねてより高等学校を初めとする教育機関、泉野福祉健康センターなどの公共施設が集積しており、図書館の整備により、こうした良好な住環境が保たれていると思っております。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 また、山出市長時代の最後に金沢海みらい図書館が開館し、海側環状線との相乗効果により、西部地区市民の住環境は格段に向上しました。市長の海みらい図書館開館前と後における地域変化を伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 海みらい図書館は、金沢外環状道路海側幹線の整備に伴い買収した工場跡地の有効活用が求められていましたことから、その利活用を検討する検討会の提言を受け、整備に至ったものであります。海みらい図書館周辺では、海側幹線の整備、土地区画整理事業が進められましたことから、交通の利便性が向上し、宅地化も進捗したものと思っております。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 このたび、小立野旧工学部跡地に県立図書館が建設中です。工学部移転後の石引通りに代表される小立野台の衰退を打開し、金沢美大の移転計画とあわせて、かつてのにぎわいを取り戻すと確信しています。市長は、両施設完成後のどのような地域変化を期待しているのか伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 金沢大学工学部跡地は、県・市、金沢大学で長い間協議し、文教地区にふさわしい公共がかかわる利活用を図るべき土地として、県と市が跡地を取得したものであります。100年近く教育機関が立地してきた歴史があり、県立図書館と金沢美術工芸大学がそれぞれの役割や特性を生かしながら、文教地区にふさわしい地域の拠点となることを期待しています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 市長が認識しているように、図書館がこの南部、西部、東部地区に果たしてきた役割と、そしてまた、今後果たす役割、その存在感は非常に大きいです。これらの施設が開館するまでに長い年月がたちまして、3人の市長が市行政を担っています。しかしながら、浅野川以北、いわゆる北部地区には図書館がありません。当然、開館に向けた検討会を設立し、広く市民から意見聴取した上で提言を取りまとめるまで、幾多の困難が予想されます。先ほど申された土地の購入など、いろんな問題があります。例えとなる海みらい図書館でも5年の歳月がかかりました。しかしながら、山野市長時代に、今までなかった北部地区にその一歩を踏み出すことは、将来の金沢市政に大きな意義があると確信します。市長には、浅野川以北の北部地区図書館設立の意義と開設に向けた市長権限を伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 図書館を含めた施設整備に関することは、市長が予算案を議会にお諮りをし、議会の皆さんの議決をいただいた上で執行することになり、今ほどお話がありましたように、権限は市長にあります。今後、本市では、施設の老朽化に伴う公共インフラの再整備が本格化してまいります。平成28年度に公共施設等総合管理計画を策定し、人口減少社会も見据え、施設の統廃合、長寿命化などにより、施設保有量の最適化等に努めることとしています。また、平成28年3月に、石川中央都市圏で連携協約を締結いたしました。新たな公共施設を整備する際には、4市2町での公共施設等の総合管理計画による広域連携の研究も行っていることも踏まえ、新たな公共施設につきましては、必要性を圏域全体で考えることも大切な視点であるというふうに思っています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 今の答弁からは、広域圏の議題に私が申し上げたこの北部地区図書館は入るのか入らないのか明確でなかったので、もう一度答弁をお願いします。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 今のところ、北部地区の図書館ということは議論はされてはおりません。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 市長が認識しているように、もう既に現在ある図書館の意義は大きなものがありますし、そしてまた、検討には時間がかかるわけですよ。その最初の検討課題に誰かが手を挙げなきゃいけない、その一番の権限があるのが、市長が認めているように、市長権限であります。ぜひともその検討課題に含めていただくことを考えているのか、その有無についてもう一度伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 いろんな公共施設を新たに整備をするときには、必要条件と同時に、十分条件というものも大切になってまいります。北部地区という声も、地域の方からも私もお聞きすることもあります。ただ、一方では、金沢市全体の中でのことも考えていかなければなりません。図書館の議論ですので、具体的に申し上げますけれども、金沢市は4つの拠点図書館と2つの分館があります。中核市58市の中で、1人当たりの蔵書数は58市のうち4番目になります。資料費という意味、お金、財政ですけれども、3番目になります。さらには、今ほど申し上げましたように、圏域全体で考えていくということもこれから必要になってくると思いますので、慎重に議論をしていかなければいけないというふうに思っています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 私は有無について聞いたんですけれども、もう一度聞き方を変えてお聞きしたいと思います。要するに、私は、中核市での比較ではなくて、この金沢市における図書館配置の不均衡に一つ問題がある。そしてまた、その不均衡を是正するには非常に長い時間がかかる。そしてまた、市長の答弁にあったように、今後の公共施設のあり方として、北部地区では津幡の図書館、そしてまた、内灘の図書館に通っている方も金沢市民の方で距離的にあります。もちろん南部地区で野々市に通っている方もおられますけれども、その中でぜひとも議題の中に入れていただけるか、その有無をもう一度確認したいと思いますが、いかがですか。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 地域の偏在というお話がありました。それも大切な十分条件であるというふうに思っています。一方では、金沢市全体での中の議論ということも、私は、大切な十分条件であるというふうに思っています。こうやって私と新谷議員、さきの定例月議会で新谷議員と教育長が議論したことも、一つの議論だというふうに思っています。まだ、このテーマが4市2町の石川中央都市圏の中で議論をするテーマまで、今、私は議論は熟しているというふうに思っていません。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 では、議論が熟す、その十分条件をもう一度伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 やはり繰り返しになりますけれども、1つには、市民1人当たりの蔵書数であったり、財源、先ほど申し上げましたように、私は中核市の中で最も高い比率だということを申し上げました。あとは、やっぱりこれから金沢市全域の中で考えていかなければいけないし、これも具体的に申し上げました。あわせて、これからは石川中央都市圏の中で新たにつくっていく施設というものは考えていかなければならないということも申し上げました。それが私が考えるところの十分条件であります。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 今、財政の問題が出ました。財政では、ちょっと視点を変えてお聞きしたいと思います。全国では、TSUTAYAに代表される民間業者図書館運営が話題になる時代です。民間資本の導入を含めて設置運営方法を検討して、財政問題を解決し、北部地区に設立することも、新幹線開通後の金沢市価値創造の一案であると考えます。また、この導入に関しても非常に長い時間がかかる、だから誰かが始めなければいけない。このPFI形式開設への所感を含めて、もう一度市長の権限を伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 図書館のPFIは、九州の武雄市もそうですし、また、近いところでは野々市市も活用したということをお聞きしております。ことしの2月に、金沢市は第7次行政改革大綱を発表いたしました。その中でも、巨額な財政需要が見込まれる場合は、PFIなどの官民連携事業の導入についても研究することが必要だというふうに明記もされておりますし、私も全く同じ思いでありますので、図書館という意味ではなくて、広くこれからの公共施設においてPFIの研究というものは進めていきたいと考えています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 厳密に言うと、図書館も含めてPFIの形式に関して賛同すると理解させていただきたいと思います。
 それでは、そこでもう一度、この図書館設置における教育長の所見は前回伺いましたけれども、今の市長見解を踏まえて、教育委員会の所管における北部地区分館を含めて図書館設置検討をする意義は重要です。教育長の所見を改めて伺います。

○高誠副議長 野口教育長。

◎野口弘教育長 泉野図書館や金沢海みらい図書館の整備につきましては、いずれもまちづくりに大きな影響を及ぼす大規模公共用地の利活用が求められていたものであり、市長部局において外部有識者による検討会などを設置し、利活用を検討されてきたものであると、市長のほうから今ほど答弁がございました。私は、そうした経緯を踏まえなければならないもの、そんなふうにして思っております。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 教育長、現在の図書館を所管して、そしてまた、管理しているのが教育委員会でありますので、今後とも北部地区のまちづくりに必要な観点から、ぜひともまた検討していただきたいと思います。
 次に、建設が進むこども図書館の意義と市立小中学校内における校内図書館とのネットワークについて伺います。

○高誠副議長 野口教育長。

◎野口弘教育長 これまでも、こども図書館は、未来の金沢を担う子どもの読書環境の充実を図り、子どもの読書活動を推進する拠点としての意義を持ち、多くの子どもが本に親しむ場、また、親子で楽しく学んで活動する場、子どもの読書活動に携わる方々や団体の交流の場であり、あわせて学校への図書の貸し出しや学校司書に対する研修、指導に当たるなど、学校図書館と連携する役割も担っております。
 以上です。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 そうなんですよね。各市内にある小中学校の校内図書館と連携して、このこども図書館が意義を持つということです。実際問題として、子どもを15歳以下と定義すればですよ、仮定として、やはり身近にあるのは校内図書館でありまして、通うにも便利です。正直申し上げて、現在建設が進むこども図書館は、金沢市内の小中学生、今定義した15歳以下の人が通うのに便利だと思いますか、教育長。

○高誠副議長 野口教育長。

◎野口弘教育長 学校は市内全域に広がっておりますので、そうした意味では、いわゆる全員、全部の子どもたちが通ってくるには、適している、そんなふうな環境にない子どももいると思います。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 正直申し上げて、現在建設中のこども図書館は、通うには交通量が非常に多いところです。そして、金沢市の真ん中にある、その立地はいいんですけれども、金沢市の全域の小中学生からすると、交通の便も、そしてまた、歩くのも非常に難しい。親御さんと来るには非常に重要です。そこで、特に私の印象ですけれども、夏休みにおける図書館の使い方の中に、学習の場としてのところがあります。そんな中で、もう一度、夏休みにおける自分の身近にある小中学校内の図書館の開放、そしてその利用促進について伺います。

○高誠副議長 野口教育長。

◎野口弘教育長 夏休みの期間におきましては、学校図書館を開放しておりまして、読書や学習の場を提供することは、児童・生徒の読書推進や主体的な学習を促進する上で大変有効であると思っています。今年度の夏休み期間におきましては、全ての小中学校で図書館を開放し、図書の貸し出しや自由読書、また、自主学習やサマースクールなどで利用されておりまして、1校当たりの平均開館日数は、小学校で8.2日、中学校で9.3日でございました。今後、また校長会と協議するなどしながら、夏休み中の活用のさらなる拡大ができないか検討してまいりたいと考えております。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 そうなんですよね。小学校と中学校の開館日数は10日を切っている。夏休み全体から見ると、非常に短い期間なんですよ。けれども、実際問題として勉強したり集まったりする図書館の機能だけでももっと開放度が必要だと思うので、ぜひとも校長会と諮り、教職員の方、いろいろ忙しいと思いますけれども、平日で最低2週間、14日間ですかね、今の倍ぐらいの開放をお願いしたいと思います。
 次に、質問の第2は、公立大学法人金沢美術工芸大学への市行政の関与です。
 金沢市の持つ権限と、どこまで意向を反映させることができるのかを伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 金沢美術工芸大学の公立大学法人への移行に伴い、地方独立行政法人法の適用を受けることになります。市は、法人の成立に当たりまして、議会の議決等をいただいた上で定款を定めるとともに、6年ごとに大学運営の基礎となる中期目標を定め、その達成を指示しているところであります。一方、美大ですけれども、中期目標の達成に向け、市の認可を受け、中期計画を定めるとともに、毎年、年度計画を作成し、市へ届け出を行い、業務運営を遂行するとともに、その実績について、市が設置する公立大学法人評価委員会の評価を受けているところであります。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 そうなんですね。結局、定款も全て、この議会議決があれば行える。再確認ですけれども、議会議決によって定款並びにあらゆることが美大に対して権限を持つ。そしてまた、毎年の年度計画、そして6年の中期目標に基づいて計画されているということですから、もう一度確認します。最高権限、この独立行政法人に対して権限があるのは議会議決ですね。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 公立大学法人と大学のことにつきましては、本市が議会の議決等を得て定款を変更をすることであり、これらの事項を変更する場合は、手続上は議会の議決になってまいります。ただ、議会を含めた金沢市側と大学と、常に意見交換をしながら進めていくことが私は望ましいことだというふうに思っています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 そうなんですよね。要するに、この独立行政法人に対しては、市長もある種の監督権があるし、この議会も独立行政法人に対して大きな権限を持っているということで、定款も学科も、そして学科の新設や廃止についても、全ての権限は、最終的には議会の議決でふやしたり減らしたり、そして中期目標に勧告したりすることができると解釈してよろしいですよね。確認です。もう一度伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 手続上は、そのとおりです。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 そうなんですよ。私は、今回の議会では、そこまで確認しておきたいと思います。
 次に、今、準備室がつくられています。美大の移転後、この跡地と建物処理とその利用の方向性を同時に考えていかなければいけないと思います。その計画作成手順を伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 令和5年度に予定されています新キャンパスへの移転後の現キャンパスの土地、建物につきましては、地方独立行政法人法の規定に基づき、美大から金沢市に納付されることになります。移転後の土地、建物の扱いにつきましては、今後の移転整備の進捗にあわせ検討してまいります。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 なるほど。それでは、移転した後に、金沢市の財産になってから作成する。跡地の建物の処理とか、そしてその後の利活用に関しては、市の所有になってから作成する、考えるということでよろしいですか、伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 移転してからというよりも、既にいろんな事業が始まっておりますので、今、実施設計ですけれども、その進捗の中で議論をしていくことが大切だと思っています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 同時並行に、いろいろと新設もありますし、相談しながらですけれども、大事な広い土地でありますので、ぜひともその跡地と建物処理に関してまた方向性を考えてください。
 質問の第3は、金沢市内、平成25年時点調査で1万2,570戸の空き家と、そのほか耐震を持たない家屋についてです。
 市民の安全確保と再利用を促すには、令和元年、確実に空き家はふえていると確信します。空き家と耐震性を持たない家屋に対する最新調査の必要性を伺います。

○高誠副議長 木谷都市整備局長。

◎木谷弘司都市整備局長 空き家と耐震性を持たない家屋の動向を把握することは、非常に大切であると考えております。しかし、個々の住宅の状況を知るには、個別のヒアリングや耐震診断が必要となり、その対象が市内に約20万戸あることを考えますと現実的ではなく、動向の把握には、国が5年ごとに行っております住宅・土地統計調査の結果を活用しているところであります。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 そうなんですよね。国の統計に頼っているんですよね。その国の統計は9月30日にもう出ていると思うので、その結果報告をお願いします。

○高誠副議長 木谷都市整備局長。

◎木谷弘司都市整備局長 空き家に関しまして、居住世帯が1年以上不在の住宅の空き家の戸数ということで、平成30年度は1万1,290戸となっております。
 以上です。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 もう一度聞きますけれども、耐震性を持たない家屋も、実際、金沢市は把握しているはずですけれども、現在、耐震性を持たない家屋はどれくらいでありますか。

○高誠副議長 木谷都市整備局長。

◎木谷弘司都市整備局長 耐震性を持たない家屋につきましては、現在のところ、耐震性基準以前の強度、耐震性が不足しているものは約3万戸余というふうに推計をしております。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 しっかりと原稿も渡して、質問要旨も書いてあるんで、ちゃんと答えていただきたいと思います。
 次に耐震改修補助制度の、この3万戸に及ぶ普及と改善についてです。前回質問を踏まえると、たとえ年間50件申請したとしても、単純計算で200年以上かかってしまう。制度普及には、最低限のやっぱり居住性改善とか水回り設備改修は必須ですし、また、これに関連する金澤町家、昭和25年前ですか、町家の再生活用事業も申請に時間がかかり過ぎる。伝統構法にこだわるなど、条件縛りが多過ぎます。耐震と町家再生活用制度の制度の改善を伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 金澤町家は、おっしゃっていただきましたように、建築基準法ができます昭和25年以前に建てられたものを規定しておりますけれども、その修繕や補強に当たりましては、伝統構法を用いることが、伝統的な外観だけではなくて、木造建築が本来持つ耐震性能を回復させるために最適であると考えています。時間がかかり過ぎるという御指摘もありました。ことしの10月より、大規模な改修計画等の事前届け出制を運用しましたことから、申請者と接する時間も長くもなりますし、連携をより密にできますし、補助制度の効果を早期に発現できるようになってくるんではないかというふうに期待しています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 ぜひとも、この町家再生活用事業をさらに生かして、伝統構法も大事ですけれども、それによって時間がかかったら、逆に本末転倒で、それによって縛られ、なお活用されないということになると思います。
 もう一度、耐震について、耐震制度、制度改善は今のスピードでは全くおぼつかない。なぜかというと、この金沢は城下町で戦災を受けていない伝統家屋が非常に多い。一たび自然災害が起きたとき脆弱です。そして、この耐震性を持たない家屋は、特に金沢市中心地に近い。ぜひとも、もう一度、担当局長から、耐震をどのようなペースで進めていくおつもりなのか、もう一度、制度改善を含めてお伺いします。

○高誠副議長 木谷都市整備局長。

◎木谷弘司都市整備局長 仰せのように、今のペースでいけばかなりの年数がかかることは承知しております。また、全て耐震改修工事で解決を図るという形ではなく、現在の建物を更新、そういったようなものを含めて、一生懸命進めていかなければいけないと思っております。今年度から、その耐震改修工事に当たりまして、耐震改修工事単独でも少しでも進めていただけるように、耐震改修の補助制度を200万円を上限に全額を補助する定額制を導入したところでございます。まずは、全国的に見てもトップクラスとなりますこの制度の周知を図り、少しでも耐震の改修を進め、制度を活用していただけるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 今、ペースのことを言いませんでした。今の耐震の受託件数では全くおぼつかない。私の聞き及ぶには、再来年に新しい5カ年計画を立案しなければいけないということでありますので、ぜひとも耐震性の進捗を早く進める計画と、年間の目標値を持った耐震の改修の受託をぜひとも要望しておきます。
 その次に、解体の補助制度です。空き家というものがあると、まちの中に非常に暗いイメージを与えますし、特に長年放置された空き家に関しては、非常に住環境を悪くするものです。家屋の床面積に応じて補助割合と限度額を弾力的に設定することができない現行制度の改正は何とかならないのか、改めて伺います。

○高誠副議長 木谷都市整備局長。

◎木谷弘司都市整備局長 解体を含めて、空き家の適正な管理は、一義的には所有者が行うべきものであると考えております。この前提の中、解体補修制度の創設に当たりましては、事業の公益性や効果、必要性等を検討した上で、周辺に悪影響を与えている老朽空き家を対象に限定しているものでございます。平成28年度の制度創設以降、その対象となります空き家のうち、約8割が現在の補助制度を活用して解体に至っております。効果を十分に発揮しているというふうに考えており、現時点で改正する考えはございません。
 以上です。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 いや、まだ2割残っているわけでして、また今後、この空き家はさらにふえてくる。そして、老朽空き家というものの基準も曖昧である。ほとんどの家が高度経済成長時期にできた、伝統家屋にもならない、だけれども、金沢の伝統的な家屋ふうにはなっているおうちが多いわけでありまして、そしてまた、老朽家屋、空き家というものに対する基準、だから1年でももう帰ってこないとわかっている家もありますから、明確なる基準の設定をして、この解体補助制度がさらに普及していくこと、そしてまた、速やかに市民に使われやすい周知をお願いして、次に移りたいと思います。
 質問の第2は、公共交通の拡充です。
 ふらっとバスの運行負担金は、年間約1億円です。つまり、ふらっとバスのエリアの金沢市民には公共交通利用補助がなされていると判断できます。逆に、ふらっとバスエリア以外の金沢市民は補助を受けられない矛盾が起きています。確かに赤字バス路線は10月から一部運賃補助実験がなされました。しかしながら、同じ経営の北鉄浅野川・石川線には、赤字でも運賃補助がなく、10%消費税以上に運賃転嫁されている状況です。両線の利用者の約7割が金沢市民です。ふらっとバスの運行負担金を今後とも継続するならば、金沢市民全体が行政に一番求めている公共交通の利便性向上のために、北鉄支援制度や料金補助制度が創設されることは当然の権利です。抜本的かつ直接的な支援制度創設について伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 ふらっとバスにつきましてですけれども、中心市街地の活性化という側面でも導入しているということも御理解もいただきたいと思っています。また、北陸鉄道ですけれども、今御指摘ありましたように、赤字路線バスへの運行の支援、さらにはノンステップバスの導入費用に対する支援も行っています。鉄道線につきましても、県や沿線自治体3市1町が協調して、施設整備に対しまして継続的な支援を行っているところであります。引き続き、国・県、沿線自治体とともに支援に努め、利便性向上のため、沿線住民のさらなる利用を促していきたいと考えています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 この北鉄の浅野川・石川線は、隣接の自治体とも関連があります。ぜひとも広域圏で、前回の定例月議会でも言ったように、しっかりと話し合っていただきまして、この赤字、そしてまた、運賃転嫁がこれ以上なされないようにお願いしたいと思いますし、北鉄に対する金沢市の対応をもう一度伺いたいと思うのですけれども、要するに、北鉄がバスの既存交通路線が不便だということをしっかり認識していないんではないか。金沢市民の最大の要望は、公共交通の利便性が悪いと言っているわけですよ。それを北鉄がしっかり認識しているなら、現在の便数が多いのか少ないのか、そしてその便の回り方がどうなのか、意見を聞くなりするようなことが見受けられるなら、私自身、ああ、努力しているなと思うのですけれども、北鉄にそのようなことが私は見受けられないんです。北鉄に対する対応について、もう一度伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 北陸鉄道とは定期的に金沢市も意見交換をしているところでもありますし、私どもも、まさにこの新谷議員との議論も含めまして、議会の皆さんや市民の皆さんからいただいた御意見を北鉄にもお伝えしながら、北鉄なりに努力を私は十分していただいているというふうに思っています。
 やっぱり運賃補助のことについてもお尋ねがございました。一義的には交通事業者の経営努力だと思っておりますけれども、やはり公共交通の充実ということは、特に地方都市にとっては大切なことでもありますので、やっぱり何らかの配慮が私は必要でもあると思っています。国に対しても、市長会などを通じ、赤字路線の運行に対する支援制度の創設を引き続き働きかけてまいりたいと考えています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 ぜひとも北鉄と、まだまだ話し合わなきゃいけないことがあると思うので、北鉄に、支援制度ではなくても、しっかりとした打ち合わせ、話し合いをお願いしたいと思います。
 この観点からもう一度、福祉バス導入と買い物ワゴン導入について、地域運営交通支援制度同様の何らかの補助制度を導入できないか伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 福祉バスですけれども、さきの定例月議会でも議論がありましたけれども、三谷地区のおでかけサロンは、地域の社会福祉協議会の皆さんが本市の地域安心生活支え合い事業を活用し、地域の社会福祉法人の協力を得て行われたものであります。地域共生社会の実現に向けて、私は、大変意義の高いものであったというふうに思っています。引き続き、このような交通支援の取り組みを行いたいという要望もお聞きをしているところでもありますので、地域福祉の推進の観点から、市としてどのような支援ができるのか、引き続き、これまでの枠組みに加えてどんなことができるのか、これは研究させていただきたいと思っています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 前向きな答弁をいただきました。それでは、ぜひとも車両保険、要するに法人の所有者が違って、運転手が違う場合があるわけです。そうしたら、車両保険で事故が起きた場合と同乗者保険、同乗しているときに万が一事故が起きたとき、誰が補償するのか、誰の責任なのか、そしてまた、燃料の問題です、燃料の補助。今、市長から前向きな答弁をいただきましたので、ぜひとも、直接的な部分ではなくて、直接的には先ほど言いました社会福祉協議会とか町会の連合会とか地域がやればいいですけれども、少しそれにちょっとそぐわない、先ほど言いました保険関係とか燃料の補助など、少し考えていただきたいと思います。
 それでは、最後の質問になります。金沢湯涌福光線についてです。
 報道によると、石川、富山両県の県道整備機運が高まり、市長も地元意見交換会に参加したとのことです。まず、その所感から伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 私が市長に就任したときには、富山県の綿貫先生がこの協議会の会長をお務めいただいていました。綿貫先生が勇退された後、南砺市の田中市長が会長になって取り組んでいただきました。石川県知事、また富山県の副知事からもいろんな御助言をいただきまして、金沢市と南砺市だけの問題ではなくて、富山西部地区全体の問題として捉えるべきではないかという御提案もいただきながら、近隣の県議会議員の先生方や市長さんの御協力もいただいているところであります。このほど、まさにその御助言の中で、富山県の橘代議士、石川県の馳代議士に会長及び会長代行になっていただきまして、さらに運動のエンジンが強力になったというふうに思っていまして、心強く思っていますし、引き続き、議会の皆さんとも力を合わせて取り組んでいきたいと考えています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 この問題は非常に長い問題でして、その間に市長さんもかわられております。地元の意見交換会にも出られたと、地元の熱い要望は聞かれたと思います。市長、役職はおりたとはいえ、この金沢湯涌福光線に対するもう一度意義といいますか、これだけ長く時間がかかったことに対してのもう一度所見、伺わせていただけますか。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 観光という側面、そして利便性、利便性というのは、医療的な利便性というものもあります。また、防災という側面からも大切な道路でありますので、議員おっしゃいましたように、時間はかかっておりますけれども、私なりに精いっぱい努力をしながら、これから取り組んでまいりたいというふうに思っています。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 実際問題として、まだ県境部を含めた県内湯涌-福光線、県道整備、湯涌の市瀬からのところがまだ始まっていない、そしてまた、県境も隣県との話し合いがつかないところです。この整備においては、石川県から、県道でありますけれども、金沢市に整備負担金が求められます。県境整備機運の現状は今報告されたとおりでありますけれども、湯涌市瀬から始まる未整備県道着工へ向けた県・市整備負担割合を伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 本市の負担割合についてお尋ねでございましたけれども、これは事業手法により定まってまいりますので、現時点では未定であります。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 未定でありますけれども、金沢市の負担がゼロになるという可能性もあるということですか。もう一度、所見を伺います。

○高誠副議長 山野市長。

◎山野之義市長 国補助採択になりますと、市の負担はありません。県単独事業になりますと、市負担が10から15%の負担になってまいります。ただ、やはりここは国補助採択という思いで、これまでも国土交通省にも働きかけていただいておりますし、国会議員の先生方に会長、会長代行になっていただいたのも、国の事業としてやっていただきたい、そんな思いからであります。

○高誠副議長 新谷博範議員。

◆新谷博範議員 この整備、この区間がどこまで入るのかわかりませんけれども、ぜひとも湯涌市瀬から湯涌校下全体を含めた補助採択を受けられることを切にお願い申し上げまして、質問を終わります。(拍手)

○高誠副議長 以上で、9番新谷博範議員の質疑並びに一般質問は終了いたしました。
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