活動報告

令和元年12月2日 企業会計決算審査特別委員会質問答弁

更新日時:2019.12.03

◆新谷博範副委員長 森尾委員からも指摘があったが、ガス事業、電気事業及び水道事業の流動資産の現金と預金の積み上げを非常にうまく行っているが、実際には財務的な調整を図っているのではないか。ガス事業の前年度繰越欠損金が67億3,659万円あって、今期の黒字額8億5,800万円余を未処理欠損金から引いても58億円余もある。この3事業は現金と預金をかなり持っている。特に水道事業では現金を72億円余も積み上げている一方、企業債は85億円余しかない状況である。先ほど森尾委員は純利益が約13億円と言っていたが、実は現金を72億円余も持っている立派な会社なのである。この純利益の約13億円に加え、たくさんの現金があり、仮に現金が5億円ほど減ったとしても、まだ約72億円も持っていることになる。すごい額の内部留保を持っている。もう一つひどいものが発電事業であり、借金が一つもなく、キャッシュだけでやっている。自由に使えるお金を約23億円持っている。この決算は、多分、純利益を2億7,000万円に調整するために、現金--内部留保を6億1,600万円余も積み上げているのである。内部留保の積み上げを減らせば、利益は2億7,000万円余からもっと上がる。何でこんなに内部留保を積み上げておきながら、発電事業とガス事業を一体化して売らなければならないのか、全く意味がわからない。水道事業に関し、先ほどアセットマネジメントをすると言っていたが、これだけの内部留保を持っているということはアセットマネジメントができていないのではないか。

◎高橋経営企画課長 水道事業については、施設の上流部であるダムや浄水場から始まり、基幹管路や主要な施設から順に老朽化対策や耐震化対策を行っており、今は基幹管路の更新を行っているところである。基幹管路については令和4年度で更新が完了することを目標としているが、通常の配水管については、今後どういったふうにやっていくかを委員から指摘された内部留保との兼ね合いを見ながらやっていきたいと考えている。

◆新谷博範副委員長 建設改良費で約36億円しか使っておらず、それ以外に内部留保として約72億円持っているわけである。先ほどの説明でアセットマネジメントと言っていたので、今後この内部留保の現金をどういうふうに動かしていこうと考えているのかを聞いた。十分なアセットマネジメントが今までもできていないのに、今の答弁はおかしい。アセットマネジメントと言うなら、この資産をきちんと運用して、市民の財産でもあり、公営企業の財産でもあるこの内部留保金をしっかりと市民に還元するべきである。私は別に料金については言っていない。アセットマネジメントという言葉を使うからどんな計画があるのかを聞いたのである。アセットマネジメントの説明をもう1回してほしい。

◎高橋経営企画課長 今持っている計画は、先ほど説明したとおりであり、施設単位の計画である。今後については、老朽管が非常にふえてくるので、それを見据えて財源手当ても図りながら取り組んでいきたい。

◆新谷博範副委員長 それは単なる例である。見てほしい。発電事業の未処分利益剰余金は2億7,000万円しか残っていない。違うだろう。現金を6億円積み上げている。譲渡しなければいけないと言っている事業に1年間で6億円もの内部留保を積み上げたのである。どう見ても水道管の話だけではないだろう。内部留保金だけを見ても、全体で軽く100億円を超えている。事業会計上これだけの内部留保を持っていて、どこかに負担がかかっている、早く償却して全体の収入のバランスを公営企業全体でとらなければならないということはすごくよいと思う。ただ、アセットマネジメント自体が今までもなされていない状況で、調整するための美術品が買えないと言っていたが、約6億1,600万円もの現金が単年度で積み上がるような発電事業であれば買えるに決まっているではないか。一度も買っていないのは山野市政になってからではないのか。いつから美術品を買っていないのか。

◎小杉企業総務課長 美術品は、平成24年度を最後に購入していない。

◆新谷博範副委員長 買えない金額の美術品であるのではなく、実際には去年の数字で言えば10年分近くの利益を内部に積み上げておいて、発電事業においては借金がゼロである。そして、発電コストも5.63円まで下がってきている。そこから導くところの先に私が言いたいことがある。ガス事業・発電事業あり方検討委員会の結論として、水力発電の卸供給だけでは地産地消の実現が不可能という話だった。卸しているのだから当たり前ではないか。どこに電気を売るかは北陸電力が決めるのは当たり前で、地産地消と言うがきっと北陸3県のどこかで使われていると思う。大体、文章がおかしい。こんな文章で一体となり売却するという話になるのか。売電価格は今後低下する可能性が高い一方、費用はほとんどが固定費であり、効率化に限界があるということだが、違うだろう。売電価格は今までもずっと日本で一番安かったのではないか。

◎高橋経営企画課長 売電価格について、現在、公営水力発電事業を行っている団体が25団体あるが、平成30年度においては単価の安いほうから2番目である。

◆新谷博範副委員長 今までも安く売っており、また、全国平均よりも安く売っているということである。それがさらに低下するとのことだが、今までもずっと安く売ってきただろう。実際の価格より安く売るということは、ある意味で北陸電力への利益供与になるわけではないか。長期契約に基づいて金沢市だけが損をしており、金沢市の市民の財産から生み出されたお金を一番損させているのは企業局だろう。間違いないか。

◎高橋経営企画課長 売電単価については、従来から発電原価をベースとし、そこに利潤を乗せる形としている。本市については、発電の新規投資が既に終わっているため、発電原価がどんどん下がっており、それと連動して売電単価も下がり、利益が小さくなっている状況である。

◆新谷博範副委員長 発電原価が下がれば、毎年利益が上がる。だから、約6億1,000万円もの内部留保をつけかえられるのである。今、長期契約による弊害がはっきりと起きており、また、この結論でおかしいのは、森委員からも指摘があったが、恣意性に加え、誘導性が明らかに見られる。一般民間企業の、それも第三セクターで金沢市の出資が望ましいとのことだが、第三セクターの株式会社にすると、市民の資産を株式に変換させた上で、加えて公租公課として、固定資産税や法人税まで取られてしまうことになる。それらのことを考えると、ことし1年間の議論は非常に稚拙であり、電力供給量シェアが極めて低いなどのデータには恣意性がある。また、地産地消の実現をと言うが、電力には名前がついていないためどこに流れているかはわからないし、最初からできるわけがないことをよくも理由に書くなと思う。この資料を出せばおのずと恣意的な結論になると思わないのか。この資料の言葉の文言はおかしくないか。誰がこの資料をつくったのか。

◎高橋経営企画課長 資料の作成については、当委員会の事務局である企業局経営企画課で行っている。

◆新谷博範副委員長 資料には、供給能力は小さく、既設発電所の能力増強も来年度に完了すると書かれている。つまり、今から稼げるわけではないか。既設発電所の能力増強が全部終わった段階で何で売らなければならないのか、私には意味がわからない。先ほども言ったが、この財務諸表は恣意的に操作されており、利益をつけかえている。このように小さく見せることは簡単である。その一方で美術品を買うまでの利益がなかったと言う。内部留保を山のように持っているこの発電事業で買えないわけがない。1年ずつ買ったとしても、今持っているだけで30年間は買える。私はこの資料は恣意的だと思うが、経営企画課の誰が作成したのか。余りにも結論ありきになっているような気がするが、本当に恣意性がないのかもう一度聞く。

◎平嶋公営企業管理者 今年度開催し、検討した資料については、経営企画課を中心とする企業局で客観的な資料として提示したものである。その中でいろいろ検討してもらい、今日の答申に至っている。現在、パブリックコメントを実施しているが、そこでもらった意見を十分にしんしゃくし、今後の市としての考え方等を取りまとめていきたい。

◆新谷博範副委員長 譲渡先への出資条件を金沢市につけさせるという結論もおかしい。そして、株式会社は金沢市内に本社を置くとしている。今回の結論に至る理由に、自由化になり日本中でサービスのセット化が行われているというものなどがある中で、この金沢市内に本社を置くという条件はどうなのか。そんな小さな会社に販売先を制限するというのか。また、可能な限り早期に事業譲渡をとあるが、早期にといってもよく議論しなければならない。この発電事業は何十年にわたる金沢市民の伝統的な財産である。それに加え、利益のつけかえまでしているような部分があるのに、こんな1年ぐらいの議論で早期に事業譲渡するとしていては委員の識見を疑われる。この条件が非常にひどい。そして、株式会社、第三セクターと言いながら、中央卸売市場と同じようにまた金沢市に出資させるのだろう。機械がほしかったら金沢市がリース業者になったように買ってあげ、設置してあげる。そして、運営会社に直接、貸さず、協会経由で又貸しして、毎月その分のお金をもらう。ばかな話である。当たり前のことを真面目にやらなければならないし、この結論自身が利潤追求に全く合っていない。このような結論を持ってくる審議会では信頼性を失うだろう。これ以上は別の機会に質問するので、答弁は求めない。
 中央卸売市場の委託料について、39の委託先があって、9つだけが指名競争入札となっている。幾つかの見積もり合わせがあるが、75%が随意契約である。花き地方卸売市場はもっとひどく、8割以上が随意契約である。それも似たような業種を事細かく分けている。最大で半分ぐらいを指名競争入札か見積もり合わせにしなければならないと思わないのか。

◎北野中央卸売市場事務局次長 随意契約が多いという指摘だが、特殊な設備の保守点検などは性能保証を受ける関係でメーカーに随意契約しているものがあり、コンピュータシステム系の保守やその改修では、プログラムの著作権の関係で開発業者に随意契約しているものがあるほか、地方自治法で認められた高齢者福祉団体、障害者福祉団体への随意契約もある。また、市場の事業者に働きかけるものとして、流通促進や産地開拓促進、PR事業等は、市場の業者により組織する一般社団法人金沢市中央市場運営協会に随意契約している。小規模なもの--50万円以下のものがかなり多いが、これは随意契約で行っている。随時見直しを行い、可能なものは入札、競争見積もりに変更し、執行している。

◆新谷博範副委員長 そんなことは言いわけにならない。39の委託先があり、そのうち七、八割が随意契約である。金額を少額にすればやりやすいという意図を感じる。今回問題になった発泡スチロールの処分業務委託だが、金沢市が出資した会社に契約させたいならば、そこと直接、契約すればよいだけなのに、一々、一般社団法人金沢市中央市場運営協会を通して、そこに又貸しして、毎年1,159万円余の使用料をとっている。やり過ぎである。あら処理設備保守点検業務では随意契約で毎年1,520万円の契約額となっている。納入してくれた業者が共和化工株式会社北陸営業所という業者なのだろうが、そうは言っても、その機械をメンテナンスするのに毎年1,520万円もかかっている。どんな機械なのか。そんなに能力の高い機械なら、ほかのこともできるのではないのか。株式会社鷹丸とは、夏分、冬分、春分の防鳥対策業務を3つに分けて随意契約している。3つ合わせて競争すればよいのではないかと思うが、三、四十万円ほどに金額を抑えている。こういう小手先のやり方はやめなければならないし、見たら明らかにわかる。公設地方花き市場もひどい。金沢市公設花き市場運営協会への委託がきれいに並んでいる。23業務のうち、ほとんどが公設花き市場運営協でやっているが、それならば最初から全部任せてしまえばよいわけである。これらに関して委託先が公平だと言えるのか。

◎前田公設花き地方卸売市場事務局長 委員指摘のとおり、23業務のうち5業務が競争見積もりをしており、残りは随意契約で、そのうち13業務が公設花き市場運営協会に委託している。この公設花き市場運営協会というのは、市場運営の円滑化を図るために市場関係者で組織した団体であり、花卉のPRや市場運営に直結する事業を皆さんで一緒にやるために委託している。規模が細かい事業が多く、例えば、花のオアシス推進事業は、図書館での毎月の花の展示をいろいろな組合と相談しながらやっているものである。このような小さい事業が13業務あり、数はやや多くなっている。

◆新谷博範副委員長 これだけやるならば指定管理者制度を導入してしまえばよく、公設花き地方卸売市場事務局はいらない。ほとんどの業務委託をこの団体がやっているし、細かい事業をまとめる気がないわけではないか。多分これはわざとだろう。約9万円の業務委託など、小さい金額のものがずらっと並んでいるが、これが今までの公設花き地方卸売市場の伝統的な委託業務の内容ならば、至急、改善しければならない。先ほども言ったが、中央卸売市場も同じであり、39業務のうち、ほとんどが随意契約である。公営企業というのは、市の行政からちょっと離れたところで企業的な観点を持って運営しなければならないのに、自分の職務、責務を放棄し、こういう安易な随意契約により下請業者に業務をやらせているような現状である。早急に改善しなければいけないと思うが、局長に聞く。

◎山田農林水産局長 各市場で安易に分割しているという認識は決してない。ただ、今の指摘も踏まえ、合理的、効率的な企業会計の運営のため、もしまとめられるものがあればまとめていき、改善すべきところはしっかりと改善しながら、誤解を受けないように進めていきたい。

◆新谷博範副委員長 最後に、大桑配水池を視察したが、地下の通路からフロアまでカビだらけだった。あれは明らかな施工ミスと言われても仕方がないのではないか。

◎水口建設部長 大桑配水池の地下2階において、コンクリートの壁面の結露に対処するため断熱パネルを設置しているが、その断熱パネルの表面に張っている木質シートに室内の湿気によりカビが発生している。専門業者とも検討したが、施工ミスには当たらないと思っている。材料として、カビが付着しない措置をしていたが、予想よりも湿気が多かったため表面のシート部分だけにカビが出ている。今後は、カビを除去し、抑止材を塗布して、定期的に確認を行いたいと考えている。

◆新谷博範副委員長 施工ミスでないならば設計ミスである。なぜなら水分の換気ができていないためである。あれを市民に見せられるのか。上も下も天井も、全てカビだらけである。あの写真を公開されて、そこから金沢市民に水が配られていることがわかると、信用問題になると思わないのか。きちんと対処しなければならないのではないか。今の状況を公開できるのか。

◎水口建設部長 今のカビの状況を公開すると、いろいろな誤解を招くと思う。ただ、カビが発生している当該施設から市中に供給される水そのものについては、全く影響はないと考えている。また、設計ミスではないかということについては、一般的に建築や地下室などで使われる標準的な材料である断熱パネルを使っており、仮にそれにカビが発生したとしても、次の処置として、洗い流すなどの措置を施すこととなる。

◆新谷博範副委員長 廊下から全部カビだらけだったが、もうカビを全て取ったのか。

◎水口建設部長 現在はまだ着手していない。今後の話としてそういった措置をしていきたいと考えている。

◆新谷博範副委員長 カビを全部きれいにし、何らかの形で報告してもらうということでよいか。

◎水口建設部長 そのようにしたい。