活動報告

令和元年9月13日 市民福祉常任委員会質問答弁

更新日時:2019.09.14

◆新谷博範副委員長 ICTを活用した野菜の美味しさ発信事業は、実施すればよいと思うが、この事業の効果と検証をどのように行うのか。

◎仙石地域保健課長 これは初めての事業であり、レストランや麺類店などで注文した際に待ち時間が5分程度出てくると思うので、その際にこの野菜アプリに取り組んでもらい、できれば野菜をもう一品追加で頼むといったことにつなげていけないかと考えている。それが次回の来店になるかもしれないし、その場で追加注文になるかもしれないが、そういうふうに野菜をもう一品とりたいと思うような施策に進めていきたいと考えている。

◆新谷博範副委員長 市民の税金を使ってアプリ開発をして、このアプリを使って、野菜一品でも食べてもらおうとすることは結構である。ただ、私にしたら、これこそ思考の貧困ではないかと思う。これが思考の貧困にならないようにアプリを普及させて、効果を検証しなければならない。レストランで料理を待っているときに、このアプリを開かせて、そして質問に答えたら、それが最終的に集計されて解析されて、野菜一品多く注文されたことを発表するのか。定期的に運用状況をこの委員会に報告することになるのか。こういう事業を始めるのはいいが、何を委員会に報告するのか。始めましただけでは済まないのではないかと聞いている。

◎仙石地域保健課長 今、集計の段階では、どの店で利用したかがわかるように集計して、そして店での注文がふえたのかもわかるようになれば、また店の登録もふえていくといった相乗効果を考えている。また、この後の展開については、例えば何かしらのプレミアのようなものを店で考えたりできるのかどうかなど、加盟店に相談していきたい。

◆新谷博範副委員長 これの本来の目的をきちんと考えないといけない。このアプリで加盟店の売り上げがちょっとふえたことを報告することが、このアプリを開発して運用することの目的ではないのではないか。アプリを開発して、運用開始して、それを集計、解析する。またお金がかかるわけである。そして、それを報告しなければならない。店に報告して、この委員会に報告する気はないのか。もう一度確認するが、11月から運用を開始するとしたら、年度末までにはこれの集計と解析、報告をするのか。

◎仙石地域保健課長 当常任委員会で報告する。

◆新谷博範副委員長 介護労働実態調査の実施について、この事業所をきちんと整理しないと、定員の問題、監査の問題、事業形態、全部ややこしくなる。社会福祉法人として経営している場合と、株式会社として経営している場合もあるし、それを一緒に何でも実態を調査しても、実態が比較できるわけではない。処遇改善という言葉も一部の事業所には当てはまる言葉だが、浮いた言葉になってしまうし、意味がないし、職員の収入の形態が全く違うものをどうやって比較するのか。有料老人ホームと特別養護老人ホームの職員を比較できるわけがないし、事業所自身も比較できない。民間のグループホームと社会福祉法人のグループホームやNPOのグループホームは比較できない。だから、事業所を何でも一緒にするのではなくて、きちんと事業所ごとに実態を調査してほしい。毎月のように職員数も全部把握しているわけで、足りないことだって今さらながらみんな知っているわけである。ただ最近、介護保険が入ってくる収入が、どんなに高い建物を建てても安い建物を建てても全て定員によって同じ収入ということを当たり前にしないと、今後、この委員会での議論も、言葉は浮くし、労働組合という言葉も出てきたが、そういう組織がないのに、どこかの一つの小さな労働組合から意見を聞いても意味がない。労働組合そのものの把握もされていないわけで、横のつながりもない。事業所ごとにするのなら、事業所の事業内容、そして事業規模で分けないといけない。ここに出ている地域小規模の特養と大型の特養と比較できるわけがない。せっかく実態調査をするのなら、事業所をきちんと分けてほしいと思うがどうか。

◎南介護保険課長 いろいろな事業所やサービスがあり、そのサービスごとに確かに定員や形が違うことは承知している。今回、調査に当たっても、サービスやどういった法人が経営しているかといったことは調査項目の中ではっきりわかるように設けたいと思っているので、それを踏まえた上でどういった形で対応できるのかも検討の中でしっかり生かしていきたい。

◆新谷博範副委員長 子どもの貧困について、言葉がとても浮いていて、貧困は結局、家庭や親の収入、所得によることになる。この金沢市における貧困の子どもを定義することは、非常に難しい。なぜなら、可処分所得は一軒一軒によって全く違い、それを把握することはほぼ不可能だからである。子どもの生活における貧困は、金沢市や国でもきちんと定義されていないと思う。金沢市も何が子どもの貧困なのか、もう一度きちんと解釈する必要があると思うが、いかがか。

◎藤木子育て支援課長 国の国民生活基礎調査による相対的貧困に関する定義と、金沢市が独自で行った金沢市子どもの生活実態調査の中での定義には若干の違いがあり、金沢市の調査については3つの視点がある。1つは低所得であること、2つは家計の逼迫ということ、3つは子どもの体験や所有物の欠如ということ、これらを組み合わせた低所得層を相対的貧困層を定義づけているところが金沢市の特徴である。

◆新谷博範副委員長 低所得と家計の逼迫はとても難しいと思う。例えば年間の所得が150万円だから家計が逼迫しているのか。生活保護を受ける世帯の対象にあるものが全員応募するかというと、半分近くの人は実際受けられるのにそれを受けない、申請していない人もいるわけである。だけど、その中で生活している。例えば大学に行く、行かないという問題に関しても非常に難しい。大学に行かないところは相対的貧困なのか。行けないのか行かせないのか、その理由は何なのか。そういうのも難しい。いろいろな基準がある。だから、これをもって、あそこの家庭は貧しいと言えるのか、とても難しい。これ自身をどう施策に生かすのかということがとても難しいと思う。
 そして、それに対して貧困対策を打たなければいけないというが、実際、貧困になったからといって、あなたが貧困か貧困ではないかわからないから、来た人全員に分けなければいけない。ある種のフリーライダー、ただ乗りする人も常にあらわれる。例えばあそこへ行って食べてきなさいと。自分がやらない、親のネグレクト、親の怠慢も、結局貧困という名のもとに隠れてしまうという危険性を常にはらんでいる。子どもが貧困でかわいそうという中に、いろいろな諸事情と理由が隠れていることが、この調査だけではわからないと思う。生活保護を本当は受けられる家庭なのに、プライドとか見栄とかがあって、実際その対象でも申請していない家庭は、非常に多い。だけど、それでもそれなりに幸せだからやっていくと言っている。子どもの貧困というものに対しての対策というのを今後どういうふうに考えるのか。

◎高柳こども未来部長 非常に困難な問題であると思うし、個別にAさん、Bさんということで特定できないことも非常に大変なところである。一昨年度行った実態調査については、一定以下の所得の世帯、あるいは家計の逼迫状況については電気料金や光熱水費などを滞納した経験が1回でもあったことがあるか、あるいは子どもの体験の欠如やお小遣いがもらえない、家族旅行に行けないなど、そういったところが3項目該当する世帯をとりあえず定義づけて、その状況を把握したものである。これも別に統一基準としてやっているわけではなくて、先般の計画を策定するに当たり協力してもらった金沢大学とも相談したものである。今後、国が全国統一ではなくて、都道府県ごとの子どもの貧困の実態調査もすると聞いているので、そういったところも注視しながら、金沢としても引き続き実態の把握に努めていきたい。具体的な支援については、ことしから子どもソーシャルワーカーを配置して個別のケース対応を進めようとしているが、本当に経済的に苦しくて子どもが困難な状況にあるのか、児童虐待、ネグレクトにおいて困難な状況にあるのかということはもちろん原因は違うということで、当然それに対する対応も違ってくるとは思うが、子どもに着目すると子どもにとっては困難な状況にあることには変わりがないので、このお子さん、Aさん、Bさんにきちんと一つ一つ対応していくことに尽きると思っている。その中で、施策として何ができるのかということも引き続き検討したいと考えている。

◆新谷博範副委員長 金沢市の児童相談所は中核市の中でもすごく歴史があって、今回の議会でも取り上げられたが、児童相談所の役割のところまで踏み込んでいると思う。だから、すごく分けにくい。子どもの食事はつくらない、物は買ってやらない、服は買ってやらない、それは児童相談所側の対応になるのではないか。ただ、選別ができない。貧困で片づけられず、虐待かもしれない。親によっても全然違う。例えば家庭の教育によって、うちはスマホを持たせない、携帯を一切持たせない。それは悪いとも言えない。児童相談所の案件にまでこの貧困というのが入るのではないか。児童相談所の見解として、この子どもの貧困はどのように捉えているのか。

◎今寺こども総合相談センター所長 虐待には4種別あって、いわゆるネグレクト、ここが児童虐待なのかそうではないのかという判断が一番難しい部分でないかと思っている。ただ、全てが育児、養育の怠慢イコールネグレクトとして児童相談所が対応するということは、その家庭にとってもマイナスである。児童相談所という名称でかかわることで、特にネグレクトの対応の場合、さらなる不安を増大させる部分がある。その他については、あくまでも虐待という形で児童相談所が対応機関としてしっかりと対応していく。そこの部分で、児童相談所の案件と言われたが、そういう案件もあると思うし、児童相談所が関与する前の市の施策として今出されている子どもソーシャルワーカーを含めた貧困対策という形で対処するのが適切なケースもあるかと思う。それは個々の案件であると理解している。