活動報告

令和元年7月18日 人口減少・少子高齢化対策特別委員会質問答弁等

更新日時:2019.06.19

◆新谷博範委員 社人研の推計による50年後の金沢市の総人口と、金沢市の独自の施策を踏まえた人口推計に8万5,000人の差がある。50年後には現在の説明員は責任をとれないと思うが、総合戦略の効果に根拠はあるのか。

◎高桑企画調整課長 国で各市町村が総合戦略をつくることとしたのは、恐らく人口問題に危機感を持ってもらいたいということがあったのだと思うし、さまざまな自然動態、社会動態に関する施策を打つとのことが一番大事だと思う。施策を打つ際に目標がないと目指すところがわからないので、総合戦略において目標を立てている。

◆新谷博範委員 人口ビジョンにおいても、総合戦略においても楽観的な見通しとなっており、特に出生率については約40年下がらないと推計しているが、そのようなことはあり得るのか。2025年までにこれらの人口推計が達成できなかったら、総合戦略が悪かったとなるが、その場合にどのように修正するのか。

◎高桑企画調整課長 まずはこの目標に向かって施策を打つことが大事だと思う。ただ、社会動態に関しては、日本全体の各市町村の社会動態の目標値を足し合わせたら日本の人口がどんとふえることになると思うが、それはさすがにおかしいとは思う。今回、人口ビジョンの検証を行うが、より現実的なことを踏まえることが必要というような議論が当然あると思う。ただ、子どもをしっかり産んで育てたいという希望がある中で、現に何かつっかえが存在するならば、それを取り除くことで、出生数の増加につながる部分があると考えており、議員の皆さんと一緒に頑張らせてほしい。

◆新谷博範委員 全国に市町村は1,300ぐらいあるが、どの自治体も人口をふやすためのデータづくりとその努力する。逆に言うとみんなで一斉に頑張ってやっていることが前提になっており、金沢市だけが突出してよい結果を期待するのは難しいと思う。理論上、日本全体として、金沢市が他の自治体に勝つ一方、どこかの自治体が負けることとなる。楽観的な推計を、頑張るというだけでなく、どのようにして現実性のあるものにしていくのか。また、推計の根拠と正当性はどのように考えればよいのか。

◎松田都市政策局長 総合戦略では市としていろいろな目標を立てて、その目標に向けて取り組みを進めている。その結果、推計したとおりにならない場合も出てくるかと思うが、その際には、どうして推計どおりにならなかったのかを検証した上で、新しい取り組みを進めていくことが一番大事だと思っている。理解してほしい。

◆新谷博範委員 第2次総合戦略をつくるのはよいが、少子化と高齢化は今始まった問題ではなく、1970年代から人口を維持できない出生率となり、50年以上続いている。ベビーブームという少し異常な人口動態が日本の人口の中で起きたことから、人口減少と高齢化が進むことは想定されていたはずである。第2次総合戦略においては、現在の総合戦略で何が悪かったのかを踏まえ、改善しなければならない。現在の総合戦略のデータに基づいて楽観的な第2次総合戦略をつくっても、結局意味はないと思う。現在の総合戦略をどのように総括するのか。

◎高桑企画調整課長 第1次総合戦略の推進期間が本年度までであるので、その次のフェーズとして第2次総合戦略があると捉えている。第1次総合戦略の総括についてだが、第2次総合戦略の策定に当たっては、当然、現在の総合戦略の4年半がどうだったのかの議論をするが、その際に、各施策別の五十数個のKPIにより、各施策の達成状況はどうだったのか、また、基本目標ごとに設定している4つの重要行政評価指標を見ていくことになる。ただ、結果としての人口や出生率といった具体の数字となると金沢の拠点性の話や、石川中央都市圏内での人口移動の話など、さまざまな要因が複合的に絡んでくるので非常に難しい。いずれにせよ有識者からその点も含めて厳しい意見をもらいながら、第2次総合戦略の策定をしていきたい。

◆新谷博範委員 有識者がどのデータをとるかによって、バイアスがかかり、誤差も大きくなる。社人研と金沢市独自の推計では、約10万人近い誤差が出ているので、この5年間をしっかり総括してほしい。

◆新谷博範委員 私も自然減と社会減を分けたほうがよいと思っている。自然減は、現状をいかに減らさないようにするかである。社会動態については、東京一極集中やオリンピック、万博などいろいろなほかの社会的要因が影響すると思うので、社会的要因を除いて、今の少子化対策と高齢化対策を検証するのはよいと思う。ただ、KPIを検証するに当たって、既に検証委員会がつくられているが、この4年半の総合戦略をどのように検証するのだろうか。4年半の自然減を一番把握しているのがこの検証委員会であるので、まずこの検証委員会から聴取したほうがよいのではないかと思う。